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「東京五輪の年には全ての企業が“IT企業”に」、米ガートナーが予測

島田 優子=日経コンピュータ、安井 晴海=ITpro 2013/10/16 日経コンピュータ
写真1●米ガートナー シニア・バイスプレジデント 兼 リサーチ部門最高責任者 ピーター・ソンダーガード氏
[画像のクリックで拡大表示]

 「東京オリンピックが開催される7年後の2020年、企業内のあらゆる予算がIT関連になり、全ての企業がテクノロジー企業になる」---。

 2013年10月15から17日まで、ガートナー ジャパンは「新しいデジタル・ワールドをリードせよ」をテーマに「Gartner Symposium/ITxpo 2013」を開催中。そのメディア向けセッションで、米ガートナーでシニア・バイスプレジデント兼リサーチ部門の最高責任者を務めるピーター・ソンダーガード氏は冒頭のように指摘し、「7年後にはIT部門の役割が大きく変わる」と強調した(写真1)。

 ガートナーは、全ての企業がテクノロジー企業となる状態のことを「デジタル産業経済」と命名。センサーや無線、3Dプリンターなどの新しい技術を組み合わせて、「企業に成長と価値をもたらす時代がやってくる」(ソンダーガード氏)とした。

IT部門の負う責任が変わる

 ソンダーガード氏は、デジタル産業経済時代に企業のIT部門は五つの観点で「新たな責任を負う」と指摘する。一つめが、「デジタル・テクノロジー・アーキテクチャ」だ。「今、自動車に搭載されている技術に自動車メーカー内では誰が責任を持っているのか」と話し、「サービスや製品に利用されているあらゆるITにIT部門が責任を持つべきだ」とした。二つめは企業内の全てのデータや情報を定義する「エンタープライズ・インフォメーション・アーキテクチャ」だ。一つめと同様にIT部門が新たに責任を負うべき領域とした。

 三つめは「サイバー・セキュリティとリスク」だ。企業内のあらゆる業務にITが関係するとなると、製薬会社の場合は各国の薬に関する法規制に加えて、金融庁の法規制など、「あらゆるルールに対して統合的に責任を持つ組織が必要になる」とソンダーガード氏は指摘。これもIT部門に求められる役割の一つとした。IT部門が負うべき責任の四つめは「産業基盤化されたITインフラ」だ。これは「社内外のクラウドを連携する役割」(ソンダーガード氏)を指す。

 最後にIT部門に求められるのが「デジタル・リーダー・シップ」だ。ここで重要になるのが「ストーリーテリングの能力になる」とソンダーガード氏は話す。ITを利用して、「どのように企業に価値をもたらすのか」を、一般の社員に教育する役割が重要になる。

今後10年間で最も影響力を持つのは「まだ見ぬ新興ベンダー」

 こうした変化を受けて「IT企業への期待も変わる」とソンダーガード氏は言う。自動車メーカーを例に、今後、急速に進むデジタル化について説明した。「自動車競争力は自動車本体の技術ではなく、クラウドにある自動車と接続するサービスが左右するようになる」とソンダーガード氏はみる。米グーグルが自動運転技術の開発によって、「いきなり自動車メーカーの競合になった」(ソンダーガード氏)ように、「IT業界も異なる視点で見られるようになる」(同)とした。

 その代表例としてソンダーガード氏が紹介したのが、ガートナーが調査したCIO(最高情報責任者)が考える「影響力のあるITベンダーランキング」だ。「今後10年間で最も影響力があるITベンダー」を聞いたところ、CIOの32%が「まだ見ぬ新興ベンダー」と回答し、トップだった。2位は米グーグルで28%、3位は米アップルで20%、4位は米マイクロソフトで15%だった。

 ただし米グーグルは「過去10年間で最も影響力があったITベンダー」としては15%であり、「過去」と「今後」を比べると13ポイントのアップとなった。今後の期待が大きいことが分かる。その一方で、米アップルは「過去」の37%から17ポイントのダウン、米マイクロソフトも「過去」の23%から8ポイントのダウンとなっている。

 ソンダーガード氏は、「7年間と言うと長いように思えるかもしれないが、デジタル化の視点から見たらアっと言う間」と強調。「IT企業もまだ見ぬベンダーが競争相手として存在していることを意識し、企業としての戦略や人事制度などのルールを見直さないとデジタル化時代についていけないだろう」と指摘した。

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