「Googleは『パスワード認証は破たんした』と考え、新しい認証方法を採用しようとしている。そしてシリコンバレーでは『スマートフォンのイノベーションは終わった』と認識され、“スマホの次”の模索が進んでいる」――。米ベンチャークレフ 代表 宮本和明氏(写真1)は2013年10月11日、「ITpro EXPO 2013」のメインシアターで講演し、米国ITの最新動向を解説した(写真2)。

 ベンチャークレフは、宮本氏が2003年にシリコンバレーで設立したリサーチ会社。シリコンバレーのベンチャー企業を中心とした先端技術動向を調査しており、ITproでは「宮本和明のシリコンバレー最新技術報告」を連載している。

写真1●米ベンチャークレフ 代表 宮本和明氏
写真1●米ベンチャークレフ 代表 宮本和明氏
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写真2●ITpro EXPO 2013 メインシアター
写真2●ITpro EXPO 2013 メインシアター
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Googleが「パスワードでは守れない」と論文

写真3●「パスワードとCookieでユーザーを守ることはできない」と述べたGoogleの論文
写真3●「パスワードとCookieでユーザーを守ることはできない」と述べたGoogleの論文
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 宮本氏は「Googleは『パスワード認証は破たんした』と考えている」と語る。同社は「パスワードとCookieでユーザーを守ることはできない」と結論付けた論文を公開している(写真3)。

 IDとパスワードに代わる認証方法として、Googleはすでに携帯電話を利用した2要素認証を採用している。またYubiKey (ユビキー) と呼ぶハードウエアトークンを評価している。USBコネクタに挿入しタッチすると、ワンタイムパスワードを生成する(関連記事)。

 また、短時間で消えてしまうメッセージサービスが支持され始めている。Wickr (ウィッカー)というサービスは、読まれると指定した時間後にデータが消えてしまう。すでに消費者向けにはSnapChatというサービスがあり「十代の若いユーザーに爆発的に使われている」(宮本氏)。Facebookも対抗してPokeというサービスをリリースした。