東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」で、日経パソコンの小向将弘副編集長が「スマートフォン・タブレット満足度ランキング」と題して講演を行った(写真1)。
日経パソコンは、10年以上前から継続的に、パソコンの性能や使い勝手などを評価・採点する「パソコン満足度ランキング」やパソコンメーカーのサポートの実態を調査する「サポートランキング」を実施している。今年は、ユーザーの注目度の高まりなどを考慮し、調査対象をスマートフォンおよびタブレット端末に切り替えた。
2013年5~6月にWebサイトで実施した調査には、総数1万4279人が回答。小向氏は「スマホやタブレットの満足度をこの規模で実施した調査結果は皆無に等しく、貴重なデータが得られた」と胸を張る。ユーザーの生の声を織り交ぜつつ分析結果を解説した。
まずは、「スマートフォンの総合満足度」(写真2)。1位は「iPhone 5」(米アップル)で、2位「HTC J」(台湾HTC)、3位「iPhone 4/4S」(アップル)、4位「ELUGA」(パナソニック モバイルコミュニケーションズ)、5位「GALAXY」(韓国サムスン電子)と、海外メーカー製品が目立つ。「アップル製品の高い満足度を支えているのは、シンプルで分かりやすい操作性とデザインの良さだ」(小向氏)。
一方、ランキングの下位に目をやると、10位が「ARROWS」(富士通モバイルコミュニケーションズ)、11位「MEDIAS」(NECカシオモバイルコミュニケーションズ)、12位「REGZA Phone」(富士通東芝モバイルコミュニケーションズ)が並び、国内メーカーの苦戦が際立つ結果となった。それらスマホのユーザーに不満な点を尋ねたところ、「熱暴走を起こす」「電池の持ちが極端に悪い」「勝手に再起動を繰り返す」と品質の悪さを指摘する声が多数寄せられた。
タブレット端末の総合満足度も、1位「iPad mini」(アップル)、2位「iPad」(アップル)、3位「dtab」(中国ファーウェイ・テクノロジーズ)と、海外製品が上位を占めた。
小向氏は、この状況を「外高内低」と嘆く。「日本の製造業は品質の高さが売りだが、スマホやタブレット分野には当てはまらない。いち早く汚名を返上して、良い製品を生み出してほしい」とエールを送り、講演を締めくくった。