写真●ハマゴムエイコム システム事業本部フューチャービジネスグループの尾鷲彰一グループリーダー
写真●ハマゴムエイコム システム事業本部フューチャービジネスグループの尾鷲彰一グループリーダー
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 2013年10月11日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」で、ハマゴムエイコムがオープンソースソフトウエア(OSS)のERP(統合基幹業務システム)パッケージ「ADempiere(アデンピエレ)」に日本企業向けの機能を独自に追加した「Advanced Cloud ADempiere」を展示している。2013年1月から調査・開発に着手し、9月中旬に販売を始めた。

 ADempiereは財務会計/業績管理、購買管理、販売管理、生産管理、人事給与管理、在庫管理、固定資産管理のモジュールを持つERPパッケージ。「中堅中小企業向けに必要な機能は一通りそろっている」とハマゴムエイコム システム事業本部フューチャービジネスグループの尾鷲彰一グループリーダーは説明する(写真)。

 Advanced Cloud ADempiereは、財務会計と固定資産管理のモジュールに日本の商習慣や法規制に基づいた画面や帳票を追加した。財務会計モジュールへ伝票登録をする場合、元のADempiereでは「一括GL仕訳」という機能から入力する必要がある。これに対し、Advanced Cloud ADempiereでは「振替伝票」といった日本の経理担当者が入力する単位の画面や帳票を用意し、日本企業でも操作しやすいようにしている。ハマゴムエイコムが17の帳票、画面を独自に開発した。

 ADempiereは海外製のため、「消費税率の変更にも簡単できることが特徴」と尾鷲グループリーダーは説明する。海外では既に複数の消費税率を適用している国があるためだ。消費税率の変更は税率マスターに新たな税率を追加したり、税率の有効日を設定したりすることで実現する。IFRS(国際会計基準)への対応も「対応できているということを監査法人に確認してもらった」(尾鷲グループリーダー)という。

 Advanced Cloud ADempiereを導入する場合、ライセンス費用は不要で、初期費用が12万6000円かかる。このほか電子メールでのサポートやパッチの提供といったサポートが年間15万7500円必要になる。ハマゴムエイコムは今後、販売管理や在庫管理といったモジュールも日本企業向けの機能を追加して、提供する予定である。