NTTドコモは2013年10月10日、動画配信などスマートフォン向けサービスを端末や回線契約の有無を問わずに利用可能にするため、「docomo ID」と呼ぶ認証基盤を同年11月13日から本格導入すると発表した。自社の加入者に限定して提供してきたサービスを他社の加入者にも広げることで、コンテンツ配信やネット通販などの付加価値サービスを新たな収益源に育てる狙いだ。

 動画配信サービス「dビデオ」や電子書籍の「dブック」、音楽配信の「dミュージック」、ネット通販の「dショッピング」など、原則として全ての自社サービスが対象。回線情報や端末IDなどを使わず、ユーザーIDとパスワードで認証する「docomo ID」の認証基盤を用いることで、ドコモのスマホ向けサービスをパソコン上でも利用したり、他社と回線契約を結んでいるスマホやタブレットを通じても利用したりできるようになる。可能なサービスから順次対応し、2014年3月までに全面移行させる計画である。

 会見で登壇したNTTドコモの加藤薫社長は、一連の自社サービスのうち、無料や都度課金でなく月額制で何らかの有料サービスを利用している加入者が700万、うちdビデオの加入者が450万に達した現状を紹介した。その上で、他社携帯電話の加入者にも利用を広げていく「キャリアフリー化」などに伴い、「近いうちに1000万加入、将来的に2000万加入を目指したい」と意気込みを語った。

 キャリアフリー化やデバイスフリー化などと並行して、独自サービスの拡充も進める。ファッション通販サイト「d fashion」を2013年10月30日、子育て家族向け知育サービス「dキッズ」を同年11月19日、旅行支援サービス「dトラベル」を同年12月17日にそれぞれ始めると発表した。dトラベルではJTBと提携し、旅行情報の提供や宿泊予約のほか、2014年度にはパッケージツアーなどの販売にも乗り出す。

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