写真●フリーの佐々木大輔氏(左)とユビレジの木戸啓太氏
写真●フリーの佐々木大輔氏(左)とユビレジの木戸啓太氏
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 iPadを利用したPOS(販売時点情報管理)システム「ユビレジ」を提供するユビレジと、クラウド型会計ソフト「freee」を提供するフリーは2013年10月10日に提携を発表した。ユビレジで管理する売り上げデータをリアルタイムでfreeeに取り込む機能を提供する。

 フリー代表取締役の佐々木大輔氏(写真左)は、「今回の提携によって、POSでの売り上げの入力から決算書の作成までが全てクラウド上で、月額数千円の投資で実現する」と強調した。1~5程度の店舗を運営する飲食業や小売業の事業主に売り込む。

 ユビレジは、iPadをPOSレジの端末として利用できるようにするクラウド形式のソフト。一方のfreeeは、会社法に基づいた決算書類を作成できる機能を提供する会計ソフトだ。ユビレジとfreeeを連携することで、ユビレジで入力したPOSデータをリアルタイムでfreeeに反映し、freee上で売り上げデータとして認識できるようになる。

 ユビレジのAPIを利用し、freee側にユビレジとの連携機能を用意。freeeからユビレジにログインすることで、ユビレジで管理している売り上げデータをfreeeに反映する。freee側ではユビレジから取得した売り上げデータの勘定科目名などを設定し、会計データとして利用する。クレジットカードか現金かの支払い区分や、消費税の区分も選択できる。

 これまで個人経営の飲食店や小売店では、閉店後にレシートから売り上げを出力し、紙の伝票に転記することで売り上げを管理することが多かったという。ユビレジとfreeeの連携機能を利用すれば、「こうした閉店後の作業をなくし、経理業務の負荷を軽減できる」(佐々木氏)。さらにユビレジ代表取締役の木戸啓太氏(写真右)は、「年1回の決算業務が負担になっているというユビレジの利用者の声があった。今回の提携で従来なら税理士に依頼していた記帳などの作業も、自動化できるようになる」と加えた。

 ユビレジとfreeeは、ともに中小企業や個人事業主向けのサービス。両者とも無料版を用意し、今回の連携機能は無料版でも利用できる。有料版の利用料金はユビレジが1店舗当たり月額5000円。freeeの利用料金は、青色申告所の作成をサポートする「個人事業主プラン」が月額980円、会社法に基づいた決算書類が作成できる「法人プラン」は月額1980円だ。

 提携したサービスの販促として2013年12月9日までキャンペーンを行う。freeeの利用者に対してユビレジの利用料金を3カ月間無料とする。一方でユビレジの利用者がfreeeの年間プランに登録した場合、年間プランの対象期間を2カ月延長し、14カ月にするサービスを提供する。