写真1●シヤチハタが「ITpro EXPO 2013」に出展している電子印鑑システム。既存のPDF文書などに直接押印できる
写真1●シヤチハタが「ITpro EXPO 2013」に出展している電子印鑑システム。既存のPDF文書などに直接押印できる
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写真2●シヤチハタが参考出展したタブレット用の電子印鑑システム
写真2●シヤチハタが参考出展したタブレット用の電子印鑑システム
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 印鑑メーカーとして知られるシヤチハタは、2013年10月11日まで東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」で、電子印鑑ソフト「パソコン決裁」と承認ワークフロー管理ソフト「DocGearCabinet(ドックギアキャビネット)」を含む電子印鑑システムを展示している。現行製品はWindowsパソコンで動作する(写真1)が、今冬をメドにiOSとAndroid OSを搭載したタブレット/スマートフォンにも対応する(写真2)。シヤチハタはタブレットのiPadとNexus 7で動作する電子印鑑システムを参考出展し、デモンストレーションを披露している。

 タブレット版のソフトではパソコン版と同様、交通費精算や契約書、稟議書といった電子文書を閲覧し、他の人の承認状況を確認したり、自分が承認・押印したり、差し戻したりすることができる。電子文書にはPDFやExcelファイルなど一般に広く使われているファイル形式をそのまま利用でき、PDF編集ソフトなどを別途用意する必要がない。外出先からでも承認権者がタブレットで即時承認できるようにすることで、電子印鑑システムの普及を加速させる狙いがある。

 シヤチハタの電子印鑑システムは約1万3000社で導入実績があるという。幅広い業種・業態で利用されているが、特に建設業など取引単価が高い業種で多く活用されている。紙の印刷費や郵送費を削減できるだけではなく、紙の取引文書では金額に応じて必要になる印紙税を節税できるメリットが大きいようだ。

 タブレット版の電子印鑑システムの価格は未定だが、現行のDocGearCabinetの価格(20ユーザーライセンス付きで84万円から)に準じるとみられる。

 インク式のシヤチハタ印鑑は今も同社の主力製品だが、「企業のペーパーレス化が進行しており、大きく伸びる市場ではない。“電子版シヤチハタ”で企業ニーズの変化に対応していきたい」(展示担当者)という。