写真●NTTコムが取り扱っているM2M通信向け通信モジュールの展示
写真●NTTコムが取り扱っているM2M通信向け通信モジュールの展示
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 NTTコミュニケーションズは、2013年10月9日~11日に東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」で、日本と海外の両方で利用できるM2M(マシンツーマシン)通信サービスを、2014年度に提供開始する計画を明らかにした。

 新サービス「Arcstar Universal Oneモバイル for グローバルM2M」は、国内で既に提供しているMVNO(仮想移動体通信事業者)型のパケット通信と、海外事業者とのローミング提携で利用可能になるパケット通信網を組み合わせて提供する。提携相手は交渉中でまだ明らかにできないとしている。提携交渉も含めてサービス開発が順調に進めば、2014年度初めをメドにサービスを提供する計画だ。

 現在の計画では、200カ国をカバーする方針で、車載型端末機を想定して1枚のSIMカードを世界各地で利用できるようにする。端末に挿入したSIMカードの状態を管理できるポータルサイトや、日本語と英語による保守窓口、VPN(仮想専用線)やクラウドサーバー環境など付随するIT基盤も合わせて提供。設備や自動車などに取り付ける端末機の通信モジュールも取り扱う(写真)。

 特に、初期投資や設備が競合他社よりも安価で簡便に提供できるとしている。既にグローバルに対応したM2M通信サービスは、一部携帯電話事業者も提供している。これらのサービスでは、アクセスポイントと呼ぶ事業者の拠点ビルにつなぎ込む回線は、ユーザー企業が固定通信事業者などから自前で調達するのが一般的だ。Arcstar Universal Oneモバイル for グローバルM2Mの場合は、NTTコムの拠点までつなぎ込むVPN回線や設備を割安なセット料金にして提供する計画だという。

 車載端末のほかに、海外に工場を持つ製造業のファクトリーオートメーション向けや、ビルなど施設のエネルギー管理向けの需要も開拓できるとみている。料金は未定だが、端末台数にかかわらずデータ通信料に応じて課金する料金体系を検討している。