会見に臨んだ電波監理審議会の前田忠昭会長
会見に臨んだ電波監理審議会の前田忠昭会長
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 総務省は2013年10月9日、2.5GHz帯の新周波数を巡ってソフトバンク子会社のWireless City Planning(WCP)から異議の申し立てがあったと報告し、審理手続きに入ると発表した。同日に開いた電波監理審議会(総務大臣の諮問機関)で議題に掛け、審理が了承された。

 WCPが異議を申し立てたのは13年9月13日。総務省が2.5GHz帯に確保した新周波数をKDDI系のUQコミュニケーションズに割り当て、WCPが割り当てを拒否されたことに対し、この決定の取り消しを求めた。今回のように周波数割り当てなどに対して申請者から異議申し立てがあった場合、総務省は30日以内に審理手続きに入る必要がある。

 2.5GHz帯では広帯域移動無線アクセスシステム(BWA)向けにこれまでUQコミュニケーションズが30MHz、WCPが20MHzの周波数幅を利用している。総務省は同じ周波数帯で新たに20MHz幅をBWA向けに開放することを決め、13年6月24日までの申請受け付け期間にUQとWCPの2社が事業計画を提出した。20MHz幅に対してUQが20MHzを、WCPが10MHzを使う内容である。総務省が2社の計画を比較審査した結果、20MHzすべてをUQに割り当て、WCPの計画は認めない方針を決定。13年7月26日の電監審にこの認可案を諮り、原案は妥当だとする答申を得ていた。

 10月9日の会見で、電監審の前田忠昭会長は、WCPが異議で申し立てた主張について、「技術評価で差が付いたことに対し、WCPの技術が(正当に)評価されていない一方、UQが主張する技術は既にあるもので高く評価すべきでない、といった趣旨が書かれていた」と概要を説明した。同日の電監審では異議申し立てに対し関係者から聴取などを行う審理官2名も指名した。主任審理官は京橋法律事務所所属の榮春彦弁護士、副審理官は総務省職員で審理に関わる専門職に就く雨宮明氏である。

 今後は関係者が日程を調整して、審理の日取りを決める。審理官が、総務省や事業者などから主張を聞いたり資料提出を求めたりして、異議申し立ての審理を進める。結審までに要する期間は不明だという。

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