写真1●三井物産のIT戦略について講演した、IT推進部副部長の黒田晴彦氏(撮影:後藤 究)
写真1●三井物産のIT戦略について講演した、IT推進部副部長の黒田晴彦氏(撮影:後藤 究)
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写真2●ビッグデータの活用手法を紹介する三井情報取締役執行役員CTOの加藤幸久氏(撮影:後藤 究)
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 「クラウドの活用を推し進めているが、プライベートクラウドばかりだとコスト高になる。パブリッククラウドを柔軟に活用することが肝要だ」。三井物産のIT推進部 副部長である黒田晴彦氏は、2012年10月9日~11日の日程で開催している「ITpro EXPO 2013」で講演。同社における戦略的IT活用の一端を披露した。

 グローバル企業の三井物産は、計67カ国に150拠点を展開しており、全拠点の社員でデータを共有したり活用したりするのにクラウド基盤は不可欠な状況にある。数年前に、オンプレミスのサーバーからクラウド基盤への移行に着手、「すでに過半数はクラウドへの移行を済ませている」(黒田氏)。残っているオンプレミスのサーバーも、償却が完了したところでクラウドに移行する計画だ。

 黒田氏は、「(同じクラウドでも)プライベートクラウドばかりだとコスト高になる。適材適所でパブリッククラウドを柔軟に活用することが肝要だ」と語る。活用例の一つが開発・テスト環境。「開発やテストの真っ最中は膨大なシステムリソースを必要とするが、開発やテストが終われば不要になる。そのためにプライベートクラウドのリソースを用意するのはもったいない」(同氏)。

 もう一つの活用例がBCP(事業継続計画)環境。「(普段は使わずにいるシステムだけに)パブリッククラウドがうってつけ」と黒田氏は指摘する。同社では、プライベートクラウドを本番のシステム環境を中心に活用していく方針だ。

 講演の後半では、同社のコアパートナーである三井情報の加藤幸久氏(取締役 執行役員 CTO)が登壇。三井物産と共同で進めているシステム開発プロジェクトや、ビッグデータを活用したリアルタイムマーケティングの手法などを紹介した。