写真●第7回クラウドランキングについて解説する星野友彦編集プロデューサー
写真●第7回クラウドランキングについて解説する星野友彦編集プロデューサー
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 2013年10月9日から東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」展示会場のメインシアターで、日経コンピュータの星野友彦編集プロデューサーが「2013年秋版最強のクラウドはこれだ!~第7回クラウドランキング~」と題して講演を行った(写真)。

 日経BP社は半年に一度、国内のユーザー企業やITベンダーを対象にアンケートを実施し、クラウドサービスの品質や実績などを評価・採点する「クラウドランキング」を実施している。最新データは2013年7月から8月にかけて実施した第7回調査のもの(関連記事:「第7回クラウドランキング」、50ベストサービス/15ベストブランドを発表)。星野プロデューサーは、この第7回クラウドランキングの最新データなどを紹介しながら、クラウドサービスの動向について解説した。

 冒頭、星野プロデューサーは「新規にシステム構築を行う企業の69.1%がクラウドの活用を検討している」というMM総研の調査結果を紹介し、「クラウドファーストは既に浸透している」と述べた。クラウドが浸透している背景としては、クラウド事業者の技術が進歩し利便性が良くなったこと、スマートフォンが普及したことが大きいという。一方で、いまだに6割の企業がクラウドのセキュリティに不安を抱いている点にも言及した。

 続いて星野プロデューサーは、第7回クラウドランキングの結果を紹介。同ランキングは、クラウド関連のビジネスを手掛ける企業のイメージを調査する「ベストブランド」と、各社が提供するクラウドサービスの内容や実績などを評価する「ベストサービス」の2種類のランキングで構成する。
 
 ベストブランドは6266件の有効回答を統計処理して総合スコアを算出し、総合スコア62.5以上の企業15社を選出した。その結果は、グーグルが首位でセールスフォース・ドットコムが2位、アマゾン・ドット・コムが3位と、ここまでは前回調査と同じ。4位以下の順位に若干の変動はあったものの、上位陣のブランド力は安定していたといえる。

 その一方で、SAPジャパンが新たにベストブランドに選出された。同社は「認知度」の評価項目が前回調査から大きく向上しており、その理由について星野プロデューサーは、「2012年5月に、SAPのERPがAmazon Web Services(AWS)での稼働を保証し、またライセンス形態をクラウド仕様にしたことが大きい」と述べた。

 もう一方の「ベストサービス」ランキングは、クラウド関連サービスを提供している企業215社へのアンケート調査をベースに、独自の基準で総合スコアを算出。「クラウド基盤サービス(PaaS/IaaS)部門」「汎用情報系SaaS部門」など7部門で計50サービスを選出した。企業別ではNTTコミュニケーションズがトップで、6部門で受賞した。

 星野プロデューサーは最後に、「日経BP社は今後もクラウドランキングを通じて、クラウドサービス事業者に情報公開とサービス向上を働きかけていく。クラウド導入の際の参考にしてほしい」と述べ、講演を締めくくった。