写真1●開発中のスマートフォンアプリ「Safety Rec II -OBD-」による車両情報モニターの様子
写真1●開発中のスマートフォンアプリ「Safety Rec II -OBD-」による車両情報モニターの様子
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写真2●車両情報の取得に使用するOBD-IIアダプター
写真2●車両情報の取得に使用するOBD-IIアダプター
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 データ・テックは、2013年10月9日より東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」展示会場で、2013年内に開発予定のスマートフォンアプリ「Safety Rec II -OBD-」を参考出展している(写真1)。同アプリは、現在Android/iOS向けに提供中のドライブレコーダーアプリケーション「Safety Rec」の機能拡張版。従来の機能に加えて、自動車の車両状態診断用端子(OBD-II端子)に専用のアダプター(写真2)を接続することで、走行速度やエンジン回転数、アクセル開度、瞬間燃費、平均燃費、外気温などをスマートフォンでリアルタイムにモニターできるようになった。

 OBD-IIアダプターとスマートフォンの間は、低消費電力Bluetooth規格である「BLE」(Bluetooth Low Energy)で無線接続する。運転後には、燃費グラフの表示やコース表示、安全運転かどうかの診断などが可能である。対応OSは、現在のSafety Recと同じAndroidとiOSだが、BLEをサポートする端末を使う必要がある。

 2014年の商品化を目指すが、アプリケーションやアダプターの価格や販売形態などについては未定。「当面のところは、ニーズを把握しやすい法人向けに事業展開していこうと考えている。車種は、OBD-II情報の開示が進んでいるガソリン乗用車に先行対応する。2013年6月に検証した際の対応可能車種は521種。情報開示に向けた動きが活発化しているトラックやディーゼル車についても、情報開示が進み次第、順次対応していく」(データ・テック営業本部主任の白垣 圭亮氏)。

 同社では、アプリが取得した運行情報を収集・管理するクラウドサービス「SRnetwork」を提供している。Safety Rec II -OBD-で収集したデータも同クラウドで管理できるようにする。詳細な車両情報を収集できることから、これまでよりも細やかで効率的な車両整備などが実現可能になるという。「外気温やワイパーの動きなどの情報を収集すれば、例えば、各地の天気などを推測可能になる。このように、車をプローブ(遠隔監視装置)化してビッグデータ分析することで、さまざまな応用が可能になる。単なる運行管理という枠を超えた事業展開についても検討していく」(白垣氏)。