日本マイクロソフトは2013年10月9日~11日に東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」にブースを出展し、Windows XPとOffice 2003のサポート終了に伴う移行を呼びかけた(写真1)。

Windows XPを使い続けることは大きなリスク

写真1●ITpro EXPO 2013の日本マイクロソフトブース
写真1●ITpro EXPO 2013の日本マイクロソフトブース
[画像のクリックで拡大表示]

 日本マイクロソフトのブースは、ITpro EXPO内に設置された「Windows XPサポート終了対策パビリオン」内に存在する。ブース出展により、サポート終了についての認知度を高めるとともに、セキュリティのリスクや移行の費用に関する相談に応えることを狙うという。

 Windows XPのサポートが終了する2014年4月9日に向け、日本マイクロソフトは様々なキャンペーンを展開している。にもかかわらず、多くの自治体がWindows XPを使い続けているという新聞報道がなされ、「サポート終了を知らなかった」という現場の声が取り上げられている。

 これについては、「Windows XPは12年前のOS。サポート終了も6年前から告知を続けてきた。1つのOSをこれほど長くサポートした企業は他にないのでは」(ブース担当者)と説明。その一方で、「これだけWindowsが広く使われている以上、マイクロソフトだけで解決できる問題でない。メディアの協力も必要」(同)として、今後もメディアを巻き込んだキャンペーンを続けていく構えだ。

 9月5日には、購入資金を金利ゼロで中小企業などに貸し付ける「PC購入支援キャンペーン」や、Windows 8 ProとOffice 365の同時購入で20%オフの割引となる「移行促進キャンペーン」を開始した(関連記事)。

 どうしてもWindows XPから移行できないユーザーには、サードパーティ製のセキュリティソフトの利用を案内するという。しかし、「来年4月以降はOSにセキュリティパッチを適用できなくなるため、一時しのぎの対策となる。サードパーティとしても完全な保証はできないはず」(同)として、Windows XPを利用し続けることのリスクを改めて強調した。

写真2●最新デバイスとしては法人向けSurfaceを展示
写真2●最新デバイスとしては法人向けSurfaceを展示
[画像のクリックで拡大表示]

 移行先のOSとして、現時点ではWindows 8を、10月18日の発売日以降はWindows 8.1を勧めていくという。「基本的にはWindows 8やWindows 8.1など、最新OSのほうがサポート期間も長く、おすすめできる」(同)としているが、すでにWindows 7への移行計画がある場合、これを妨げることはせず、あくまでWindows XPから移行することを重視する。

 移行先のデバイスとしては、法人向けに展開を開始したSurfaceを展示(写真2)。「代表的なデバイスとしてSurfaceを展示しているが、OEMによる多様なWindows 8デバイスから検討してほしい」(同)と説明した。

Office 2003からの移行先はOffice 365を推奨

 Windows XPと同様にサポートが終了するOffice 2003についても、移行が必要となる。しかしWindows XPのサポート終了に比べると、まだ認知度が低いという。「課題として意識されているが、スムーズな移行はできていない」(ブース担当者)という。

 Office 2003と2007以降ではユーザーインタフェースが異なり、リボンUIへの移行コストを指摘する声もあるが、「Office 2007発売当時と比べ、状況は変わってきた。慣れればリボンのほうが便利という声も増えている」(同)と反論する。

 ドキュメントの互換性については、Office 2003形式で作り込んでいる場合、互換性の問題は残っているという。現在のOffice 365で利用できる新しいOffice(Office 2013に相当するデスクトップアプリ)ではOffice 2003との共存もサポートしていることから、「Excel 2003とExcel 2013を同時に起動し、横に並べて見比べながら作業することも可能」(同)。Office 2003で動作していたCOMアドインやVSTOアドインも、一部は動かなくなる可能性があるというが、「今後はアドインだけでなく、Office用アプリ(apps for Office)の利用も検討してほしい」(同)と説明した。