決済ソリューションを中心としたシステム開発を手がけるエンパシ(EMPATHY、東京都目黒区)は、Windows 8タブレットをベースとした新型決済端末の試作機を、東京ビッグサイトで開催中の「ITpro EXPO 2013」で展示した。
自社開発した決済端末の名称は「EM10」で、2014年以降の発売を予定している。10.1型タッチディスプレイ搭載タブレットで、Windows 8の組み込み機器版である「Windows Embedded 8 Industry」を搭載している。CPUはIntel Atom(Bay Trail)。
ハードウエアの大きな特徴が、磁気ストライプカード、接触ICクレジットカード(EMV方式)、非接触ICカード(おサイフケータイ、Suica、楽天Edyなど)の全てに対応できるインタフェースを備えていること。1台あればあらゆる決済方式に対応できる点を訴求する(写真1、写真2)。
さらに無線LAN(Wi-Fi、IEEE802.11b/g/a/n)を標準搭載し、SIMカードを挿入すれば携帯電話網にも接続できる。これらを通じてクラウドサーバーと通信し、決済処理を行う。
通常のWindowsマシンとしても動作するため、POS(販売時点情報管理)レジ機能や売上管理機能、ヘアカタログ・料理などのメニュー機能を組み込むことができる。店舗・チェーン独自のカードを発行し、来店頻度を把握したり特典を付与したりするためのポイントカードとして利用することもできる。
展示ブースの担当者は「さまざまな決済方式に容易に対応したい中小規模の小売・サービス業が主なターゲット。レジ周りに多種の決済・ポイントカード端末が設置されて担当者の業務が煩雑になりがちな大手店舗の置き換え需要も狙っていきたい」と説明する。
EM10試作機のサイズは幅264×高さ182×厚さ15mm、重量は980g。発売までにさらなる小型・軽量化を図るという。価格は1台15~20万円程度を検討している。別途、クラウドサーバーの利用料・決済手数料がかかる。
当初、第2段落および写真1のキャプションで、自社開発した決済端末の名称を「EM07」としていましたが「EM10」に修正しました。併せて、サイズ、重量などの記述を差し替えました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2013/10/11 11:00]