写真1●統合ビッグデータ プラットフォームの概念図
写真1●統合ビッグデータ プラットフォームの概念図
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写真2●膨大なデータ(ビッグデータ)がボトルネックになりかねないと警鐘を鳴らす
写真2●膨大なデータ(ビッグデータ)がボトルネックになりかねないと警鐘を鳴らす
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 2013年10月9~11日に東京ビッグサイトで開催されている「ITpro EXPO 2013」で、東芝ソリューションはスマートコミュニティで培った技術を基に2013年4月から提供を開始している「統合ビッグデータ プラットフォーム」を展示した(写真1)。スマートコミュニティには欠かせない、家庭での電力やガスなどのエネルギーを一元管理できるHEMS(ホームエネルギー管理システム)の運用経験を生かし、東芝ソリューションは逆説的にも聞こえる“集めない”ビッグデータを提唱している(写真2)。

 HEMSでは、各種エネルギーの利用状況などのデータをセンサーでリアルタイム監視しながら取得しており、これがビッグデータになる。しかしデータをすべてネットワーク経由でかき集めようとすると、「膨大なデータ(ビッグデータ)がボトルネックになりかねない」(東芝ソリューションの栗田雅芳プラットフォームソリューション事業部商品企画部参事)という。

 そこで東芝ソリューションは、センサーを設置しているローカル側で「エンドポイント処理」を加えることを提案。大量の生データをそのままクラウド側のサーバーに送るのではなく、あらかじめ設定しておく「検知ルール」に従って加工したり組み合わせたりしてからネットワークに流す仕組みを提供する。それらを実現する商品群が統合ビッグデータ プラットフォームを構成するイベント処理基盤「SmartEDA」などになる。

 この検知ルールを随時更新していくことで、ビッグデータを効率よくセンサーから集めていく。これをもって、“集めない”と表現しているわけだ。

 ほかにクラウド側で利用する並列分散処理基盤「GridData」や、大容量データベース「GridStore」を用意している。

 この一連の仕組みで肝になるのはやはり、ローカル側で必要になる検知ルールだ。現在はこの検知ルールを利用企業自身が用意する必要がある。だが現実には、ある程度データを集めて検知ルールを作り上げてからでないと、データの選別はできない。そこで東芝ソリューションは統合ビッグデータ プラットフォームの次期版で、検知ルールをあらかじめ取りそろえたパッケージも提供する方針だ。