KDDI研究所と三菱電機インフォメーションシステムズは2013年10月8日、利用者ごとに異なる電子透かしを埋め込んだ動画を高速に生成できる技術を、共同で開発したと発表した。この技術を用いると、電子透かしを埋め込んだ10分の動画を、わずか2秒で生成できるという(ビットレート7Mbpsで500Mバイトの動画ファイルの場合)。

 三菱電機インフォメーションシステムズが電子透かしの技術を提供し、KDDI研が動画の高速生成技術を開発した。2社は、ネット上での違法な動画アップロードに対し動画の出所を特定できる技術として、動画配信業者などに採用を働きかける。

 新技術は、予め電子透かしを埋め込んだ複数の種類の動画ファイルを配信時に組み合わせることで、配信先を特定できる動画配信を実現した。具体的には、一定の尺で動画を区切り、数ビットの情報を電子透かしを用いて埋め込んだ動画をまず作成しておく。

 例えば4ビットの情報を埋め込む場合は、「0」から「15」までの16種類の電子透かしを埋め込んだ、16個の動画ファイルを用意する。配信先ユーザーを20ビットのコードで把握している場合は、この短い尺の動画を5回つなぎ合わせて表す。

 動画は分割とつなぎ合わせが容易なように、動画圧縮の単位であるGOP(Group Of Pictures)が一定のフレーム数になるようにした。その上で、電子透かしはGOPの区切れに合わせて埋め込み、動画の分割とつなぎ合わせはGOP単位で行うようにした。