2013年10月7日、NECは千葉県の消防救急無線と消防指令システムを構築したと発表した。受注額は総額100億円強と見られる。千葉県は、新システムを既に2013年4月から利用している。

 消防救急無線システムは、千葉県内にある31の消防本部が共同で利用している。県内全ての消防本部が、統一のシステムを利用するのは全国初の事例だという。

 総務省は2016年5月までに消防救急無線をデジタル化することを定めており、各消防本部は対応に迫られていた。共同で新システムを構築することで、コストを抑えた。

 消防車や救急車といった車両に搭載する受信機は、アナログ方式とデジタル方式の両方に対応させた。これにより、段階的なデジタル化を可能にした。

 同時に、消防指令システムも構築した。20の消防本部の指令業務を共同で実施する「ちば消防共同指令センター」と、6の消防本部による「千葉北西部消防指令センター」が管理、運用する。約1000台の車両に対して指示を出せるという。

 従来は、市町村などの単位で消防指令センターを設置し、それぞれがシステムを構築していた。同一のシステムを活用することで、より広範囲に渡る情報収集と管理が可能になり、広域災害に対して迅速に対処できるといったメリットがある。

 同システムはGPS機能を搭載しており、車両の位置情報を常に把握している。災害発生地点に一番近い車両を選んで出動させるといった運用が可能だ。