写真●2014年4月1日からの消費増税に対応した「弥生会計 14」
写真●2014年4月1日からの消費増税に対応した「弥生会計 14」
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 中小企業向けに会計や販売管理ソフトを提供する弥生は2013年10月7日、新版となる「弥生 14 シリーズ」を発表した(写真)。2014年4月1日から消費税が8%となることに対応したバージョンとなる。弥生の岡本浩一郎社長は「毎年、新製品を発表するのは11月下旬から12月。だが今年は消費増税やWindows XPのサポート切れへの対応を意識して、発売時期を前倒しした」と説明した。発売は10月18日から。

 弥生 14 シリーズでは消費税を扱う会計ソフト「弥生会計 14」と「やよいの青色申告 14」、販売管理ソフト「弥生販売 14」と「やよいの見積・納品・請求書 14」の4製品に、消費税率8%を適用した計算ができる機能を搭載した。具体的には取り引きの日付が2013年4月1日以降の場合に自動的に消費税率8%を付与する機能や、5%と8%の税率ごとに消費税を集計する機能などを用意した。

 2013年9月30日までに契約を結び、製品やサービスの納品が2014年4月1日以降になる場合に特定の取り引きで消費税率5%が適用できる「経過措置」には、利用者が手作業で対応する。弥生販売 14とやよいの見積・納品・請求書 14では、5%の税率で計算していた税込商品単価を、8%に一括変更できる機能を実装。8%に変更する際に「10円未満を四捨五入する」「100円未満を切り捨てる」といった条件を選んで価格マスターが変更できる。

 弥生 14 シリーズでは消費増税対応に加えて、「Windows XPのサポート切れに対する支援も欠かせない」(岡本社長)としてサポートを強化。有料の「あんしん保守サポート」に加入している利用者に対して、PCの買い替え時に弥生製品で管理するデータ以外のPCデータの移行支援や、新しいPCへの買い替えの支援といったメニューを用意した。消費増税とWindows XPのサポート切れから「問い合わせが増加する」(岡本社長)として、9月末までに札幌のコールセンターの席数を従来の1.9倍に当たる420席に増やした。

 岡本社長は、「既存の利用者が消費税率8%を適用するためには14シリーズにバージョンアップするしかない」と説明。「あんしん保守サポートの加入者などの動向はつかめているが、サポートに加入していない利用者がバージョンアップするかは分からない。古いバージョンの利用者の中には、Windows XPユーザーも多いとみている。今年に入ってから消費増税やサポート切れについては告知しているが、来年3月に向けてより一層、バージョンアップを促していきたい」と強調した。