米Amazon.comが、米Appleの「Apple TV」のようなセットトップボックス(STB)を年末商戦に向けて準備していると複数の米メディアが現地時間2013年10月3日に伝えた。米Wall Street Journalによると、この製品の開発コード名は「Cinnamon」。Amazon.comはこのデバイスで、さまざまなサービスを提供するため、ケーブルテレビ局やアプリケーションの開発者と交渉しているという。

 米Amazon.comがSTBを開発しているというニュースは今年4月に米Bloombergなどが伝えていた(関連記事:Amazon、「Kindle TV」を準備中?年内の発売に向けて端末を開発中と米メディアが報じる)。だがWall Street Journalは、Amazon.comが自社のデジタルコンテンツだけでなく、他社の映像/音楽ストリーミングやゲームなど多様なサービスをSTB上のアプリケーションを通じて提供しようと考えている点がこれまでと異なると伝えている。

 一方で米TechCrunchなどは、Amazon.comが2つのスマートフォンを開発していると伝えている。1つは年末の発売に向けて準備しているとされる廉価モデル。もう1つは3次元視線検出技術を用いたユーザーインタフェースを備えるモデル。後者の開発コード名は「Smith」だという。こちらは本体前面の四隅にそれぞれカメラを備え、ユーザーの目や頭の動きを追跡して視点を捉えるという。

 Wall Street JournalによるとAmazon.comの目的は、米国で行っている年額79ドルの商品配送優遇プログラム「Amazon Prime」。同社はプログラムの会員に「Prime Instant Video」と呼ぶ追加料金なしの映像配信サービスを提供しているほか、Kindle端末を持つ会員には無料の電子書籍貸し出しサービスを提供している。さまざまな特典を付けたり、ハードウエアを廉価で販売したりすることで、会員数を増やし、自社サービスを頻繁に利用してもらおうと考えているという。