写真●Application Identity Managementの管理画面
写真●Application Identity Managementの管理画面
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 ディアイティ(DIT)は2013年10月3日、運用管理用のバッチプログラムなどに特権IDやパスワードを埋め込む際に、これを変数に置き換えて運用できるようにするセキュリティソフト「Application Identity Management」(AIM、写真)について、これまでよりも安価に導入できるようにした廉価版「AIMパッケージ」を追加した。10月10日から提供する。廉価版の価格(税別)は133万円(2014年3月までの価格、それ以降は未定)で、これに対して通常版は291万円から。開発会社は米Cyber-Ark。

 AIMは、運用管理用スクリプトなどのプログラムに埋め込まれたIDとパスワードを変数に置き換え、プログラムの実行時に実際のIDとパスワードを問い合わせて動的に入手できるようにするセキュリティーソフトである(関連記事:DIT、プログラムへのID/Pass埋め込みを回避するセキュリティソフト)。プログラム本体が外部に漏えいしても実際のIDとパスワードが分からないので、セキュリティーが向上するという仕組み。

 今回、AIMの機能はそのままに、AIMを使うために必要なライセンス費用を下げた。

 そもそもAIMは、単独では動作しない。別途、特権IDによるサーバーへのアクセスを仲介することでセキュリティーを保つゲートウエイソフト「PIM Enterprise Suite」のオプションソフトという位置付けである(関連記事:DIT、特権IDを制御/監視するソフトの新版でWebアクセスを対象に)。AIMで用いる変数とID/パスワードの対応を管理するのはPIM Enterprise Suiteであり、AIMはPIM Enterprise Suiteに問い合わせることで変数をID/パスワードに変換できる。

 PIM Enterprise Suiteの価格は257万円からで、オプションソフトであるAIMの価格は34万円からである。つまり、従来は、AIMの機能を使うために合計で291万円からのライセンス料が必要になっていた。この一方で、PIM Enterprise Suiteの中核機能(ライセンス料の根拠となる機能)は特権IDによる代理アクセスであり、わざわざAIMを使うためだけの目的でPIM Enterprise Suiteを購入すると無駄が生じていた。

 これを改め、AIMとPIM Enterprise Suiteをセットにして、使用用途をAIMの利用に限定したパッケージを廉価版(AIMパッケージ)として用意した形である。AIMパッケージの価格は133万円(2014年3月末まで)で、PIM Enterprise Suiteの通常ライセンスを購入した場合の半額以下でAIMを利用できるようになった。