富士通研究所は2013年10月1日、幕張メッセで開催中の「CEATEC JAPAN 2013」で、ドライバー向けの「眠気検知センサー」(写真1左)などを展示した。長距離ドライバーの従業員をもつ運送業者などに向け、2~3年後をメドに実用化する考えだ。
この試作機は、耳に付けたクリップ型センサー(写真2)で運転中のドライバーの心拍を測るもの。測定したデータはBluetooth経由でスマートフォンに送信し、独自に開発したアルゴリズムで眠気を検知する。眠気を検知した場合は、(1)スマートフォンがドライバーに警告を発する、(2)運送業者の監視センターからドライバーに警告の電話をかける---といった対応が可能になるという。
同社はこのほか、体に接触することなく睡眠の状態を記録する「睡眠センサー」(写真1右)を展示した。この試作機は、眠る際にベッドの横に置くことで、微弱な電波を体に当てて睡眠中の心拍、呼吸、体動を測り、睡眠が十分にとれているかを判断する。例えば運送業者がドライバーの睡眠に関する情報を一元管理し、睡眠が十分でないと判断したドライバーに対しては、その日の運転をやめさせることで事故を防止できるという。睡眠センサーに関しても、同社は2~3年後の実用化を目指している。
富士通研究所によれば、交通事故の原因の約70%はヒューマンエラーによるものだという。眠気検知技術と睡眠の可視化技術でヒューマンエラーを減らし、交通事故の削減を目指すとしている。