日本IBMは2013年10月1日、「IBM Power Systems Linuxセンター」を同社の晴海事業所内に新設したと発表した。「IBM Power Systems」上でLinuxとオープンソース技術を組み合わせ、ビッグデータやクラウド、モバイル、ソーシャル分野における新しいアプリケーションの開発と展開の加速を目指す。

 IBMではグローバルでPower Systems上で稼働するLinuxとオープンソース技術に対して新規に10億ドルを投資しており、5月には中国北京で同様のセンターを開設した。7月には米国ニューヨークとオースティンに、また9月にはフランスのモンペリエにもセンターを開設しており、今回は世界で5番目のセンターとなる。

 今回新設したIBM Power Systems Linuxセンターでは、国内の独立系ソフトウエアベンダーやシステムインテグレーター、オープンソースソフトウエア(OSS)開発者を対象に、IBM Power Systems上でLinuxを活用するための開発環境を提供するほか、ポーティング支援や技術セミナーも開催する。IBM Power Systems上のLinux対応アプリケーション開発企業に対しては、企業システムへの採用を働きかけるマーケティングでの協業や案件支援もしていく。

 センター新設に先立ち日本IBMでは、ミラクル・リナックスとプロマークに対し、OSSを活用したアプリケーションが、IBM Power Systems上のLinuxに対応するよう支援した。

 ミラクル・リナックスは、「MIRACLE LINUX V6 for IBM POWER」の共同検証を完了。今後もエンタープライズ向け統合システム監視ソリューション「MIRACLE ZBX」シリーズなどを同センターで検証する予定だ。プロマークは、OSSを活用したアンチウィルスソフトウエア「ProScan AntiVirus」シリーズの検証を完了し、同日から「ProScan for IBM Power Systems(Linux)」の提供を始めている。