写真●HP Integrity NonStop BladeSystem NB56000cの外観
写真●HP Integrity NonStop BladeSystem NB56000cの外観
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 日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は2013年10月1日、無停止型サーバー機のハイエンド機種「HP Integrity NonStop BladeSystem NB56000c」(写真)を発表、同日出荷した。CPU/メモリー容量の強化などにより、従来のハイエンド機種「NB54000c」と比べて性能を1.5倍に向上させた。開発会社は米Hewlett-Packard。

 HP Integrity NonStopは、部品の多重化などによって可用性を追求したミッションクリティカル用途のサーバー機である(関連記事)。汎用のIA(Itanium)サーバー(下位機種はラックマウント、上位機種はブレード)を流用しつつ、CPU間やI/O間の通信に独自の通信機構「ServerNet」を利用する。MPP(超並列処理)型のアーキテクチャーを採用しており、CPU/メモリーをスケールアウト型に拡張できる。ソフトウエアは、専用OS上でRDBMSやJava実行環境を利用できる。

 今回発表したNB56000cは、HP Integrity NonStopのハイエンド機に当たる。従来のハイエンド機「NB54000c」と比べて、CPUをItanium 9340(1.60~1.73GHz)からItanium 9550(2.4GHz)に変更し、CPU当たりの最大メモリー容量を64Gバイトから96Gバイトへと拡大した。これらにより、処理性能が約1.5倍に向上したとしている。

 また、実測値ベースでは、ストレージにSSDを採用したNB56000c(4CPU構成)と、ハードディスクを搭載したNB54000c(4CPU構成)を比較したところ、RDBMSのHP NonStop SQL/MX上で3000万件のデータから抽出/集計する速度が5.7倍に向上したとしている。

 主な仕様は、以下の通り。CPU/メモリーボードにはItaniumブレードサーバー「BL860c i4」(2ソケット)を流用している。CPU(最大構成時)は4コアのItanium 9550(2.4GHz)。最大メモリー容量はCPU当たり96Gバイト。1ラックを使う1システム(ノード)当たり8ブレード(16CPU、64コア、メモリー1536Gバイト)。これを最大255ノード(4080CPU、1万6320コア、メモリー384Tバイト)まで拡張できる。

 参考価格(5%税込み)は、5534万1195円。この時のハードウエア構成は、1ラック(42U)に、c7000エンクロージャー×1、BL860cサーバーブレード×2(それぞれ、2コアCPU×1、メモリー16Gバイト)、ディスクエンクロージャー×2(それぞれ146Gバイトディスク×10個)、CPUモジュールとServerNet経由で接続するI/O機構「Cluster I/O module」(CLIM)×2、テープ装置、コンソールである。ソフトウエアは別途必要。