写真1●専用アプリを立ち上げ、スマホでポスターの写真を撮って送信すると、自動的に関連する情報サイトに接続される
写真1●専用アプリを立ち上げ、スマホでポスターの写真を撮って送信すると、自動的に関連する情報サイトに接続される
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写真2●TEDxKyoto 2013の会場では、スタッフが着ているTシャツの柄をスマホで撮影すると、関連サイトに飛ぶようにもした
写真2●TEDxKyoto 2013の会場では、スタッフが着ているTシャツの柄をスマホで撮影すると、関連サイトに飛ぶようにもした
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 富士ゼロックスは2013年9月29日に京都で開かれたプレゼンテーションイベント「TEDxKyoto 2013」で、スマートフォンのカメラを利用した動画サイトなどへのアクセスサービスを提供した。同社の米国にある関連会社「FX Palo Alto Laboratory」が開発した類似画像検索技術「Embedded Media Markers」を使い、スマホのカメラでパンフレットなどの紙の印刷物などを撮影すると、その画像にひもづいた動画やWebコンテンツをスマホに配信できるようにしている。今回この技術を使って、Tシャツの柄を撮影してイベント情報につなげたほか、ポスターを撮影したスタンプラリーのような試みも実施した。

 富士ゼロックスは、イベントの開催前から京都市内に貼られたポスターをスマホのカメラで撮影して回るスタンプラリーを展開(写真1)。撮影すると、TEDxKyoto 2013の関連コンテンツに自動的につながって閲覧できるようにした。ポスターは全て同じものだが、撮影した写真に付与される位置情報の違いから、スタンプラリーのような使い方ができたという。

 また、当日会場で配布したパンフレットに記載された各スピーカーの写真をスマホで撮影すると、そのスピーカーの詳しい情報をスマホで閲覧でき、後日YouTubeに掲載される当日のプレゼン内容もパンフレットの写真をスマホで撮ることでアクセスできるようになっている。さらに会場でスタッフが着るTシャツの柄を撮影すると、イベントの関連コンテンツを閲覧できるようにして、イベントを盛り上げた(写真2)。

 これらは全て、富士ゼロックスのクラウドサービス「SkyDesk Media Switch」で提供されている。富士ゼロックスは今回、TEDxKyoto 2013のリーディングパートナーになっている。

 このサービスを利用するには、まず自分のスマホに無料の専用アプリをインストールする。そしてこのアプリを起動して、スマホのカメラで対象物の写真を撮って送信する。するとその撮影画像がクラウド上で認識され、あらかじめ登録されているWebサイトやYouTubeサイトにつながる。

 「撮影した画像自体が『認識マーカー』の役割を果たします。あらかじめクラウド上に登録してある元画像と照合して、同じものと判断されれば、動画サイトなどのリンク先をスマホに送り返す仕組みになっています」(新規事業開発部SkyDeskサービスセンターの田中徹センター長)。もともとは紙の印刷物をスマホのカメラで撮影することを想定して開発されている技術だが、「今回のイベントではTシャツの柄のような『たるみのあるもの』を撮影して画像認識することにチャレンジしました。結果的にうまくいきましたよ」(同)。

 既に富士ゼロックスは同技術を実用化しており、街で配布するタウン誌の中の写真をスマホのカメラで撮影すると、関連する動画サイトに接続するといった用途で技術提供している。ある料理雑誌では、誌面では伝えきれない詳しいレシピ情報などを関連サイトに飛ばして説明する用途で、この技術を利用している。