写真1●533件の応募作品から、予選を通過したファイナリストとして12組が参加した
写真1●533件の応募作品から、予選を通過したファイナリストとして12組が参加した
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写真2●決勝イベントでは、12組の開発者がそれぞれ自分の開発したアプリを紹介した
写真2●決勝イベントでは、12組の開発者がそれぞれ自分の開発したアプリを紹介した
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写真3●優勝者と準優勝者には副賞が贈られた
写真3●優勝者と準優勝者には副賞が贈られた
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 小中高生が開発した、スマートデバイス(スマートフォンやタブレット端末)向けアプリのコンテスト「アプリ甲子園2013」の決勝イベントが、2013年9月29日に行われた(写真1)。

 アプリ甲子園の主催者はD2C。コンテスト活動を通じて、若手クリエイターの育成を目指している。今回が第3回目の開催となる。今回の応募期間は7月1日~8月31日で、合計533作品が応募された。

 決勝イベントには、予備審査を通過した12組がファイナリストとして登壇、それぞれが開発したアプリを紹介した(写真2)。この中から、企画力(独創性、デザイン性、消費者支持度)と実装力(操作性、技術力、完成度)を2つの審査クライテリアとして、D2C社内外5人の審査員(AppBank代表取締役CEOの村井智建氏、マインドパレット取締役副社長の神尾隆昌氏、ジークラウドCEO&Founderの渡部薫氏、リバネス代表取締役CEOの丸幸弘氏、D2C代表取締役社長の宝珠山卓志氏)が、優勝、準優勝作品を選出した。

 審査の結果、優勝したのは、渋谷教育学園幕張高等学校1年生の浅部佑君の「SoundGuess」。準優勝は、岡山一宮高等学校3年生の池原克明君の「Wabeat」だった。SoundGuessは、身近な音を分割して聞かせて、当ててもらうゲームアプリ。Wabeatは、演奏のノウハウがなくても、簡単に音楽を奏でられるようにした新しい楽器アプリである。

 以下、3位の「お薬のじかん」(慶応義塾中等部3年生の福井一玄君)、4位の「SHelper」(宮城県工業高校のSHelper制作チーム)、5位の「MemoPad」(福岡大学付属大濠高校3年生の古川漱一君)までが、順位発表された(表1写真3)。

表1●決勝イベントに登壇した12組の開発者とアプリ
所属開発者名(敬称略)作品タイトル作品概要OS順位
品川女子学院高等部梶原一葉のっくいず子供といっしょに楽しむクイズアプリ。動物の鳴き声から動物名を当てるiOS-
東海大学菅生高校小河原裕介SOUND FLICKフリック操作を利用した「音ゲー」(音を活用したゲーム)Android-
桐光学園中等部、新宿山吹高等学校、神奈川県立保土ケ谷高校有賀幾巳、新名哲成、広田大地iTextReaderEPUBを独自拡張した電子書籍リーダーアプリiOS-
慶応義塾中等部福井一玄お薬のじかん高齢者が薬を飲んだことを、遠隔地の家族が知ることができるようにした見守りアプリAndroid3位
品川女子学院高等部嶋本夏海TODO(とど)graphやるべきことを「期限軸」と「重要度軸」に分けて管理できるタスク管理アプリiOS-
福岡大学付属大濠高校古川漱一MemoPad文字だけでなく、お絵かき機能も備えたメモアプリiOS5位
慶応義塾普通部岡田侑弥SuperShootingCreator自分だけのシューティングゲームを自作できるアプリAndroid-
宮城県工業高校「SHelper」制作チームSHelper避難所情報など被災時に役立つ機能を搭載したアプリ。現在は宮城県版だけだが、将来は全国版にも展開予定Android4位
岡山一宮高等学校池原克明Wabeat触るだけで音楽を演奏できる、新しい楽器アプリiOS準優勝
本郷高等学校三宅在都RealPlayGameゲーム感覚で楽しく記録できるスケジュール帳アプリiOS-
渋谷教育学園幕張高等学校浅部佑SoundGuess登録した身近な音を使ったクイズを作成できるアプリiOS優勝
浦安市立高洲小学校長滝谷晋司席替え。楽!!楽!!簡単に席替えができるアプリ。通常の教室版のほか、実験室版や円卓版も用意iOS-

 技術面からアプリを評価した神尾氏は「Wabeatは商業レベルの作品、SounGuessはクラウド利用型でスケーラビリティを考えた実装になっている」と評するなど、レベルの高いコンテストとなった。

 選に漏れた作品のなかにも、「席替えアプリ」など、学生ならではの作品が多数あった。主催者であるD2Cの宝珠山氏は、決勝イベントの締めくくりとして「回を追ってレベルアップしている。社会問題から課題を設定して結論を導くだけでなく、形(プログラム)にして世の中に問うのが素晴らしい。さらに、皆のプレゼンする力にも驚かされた」と感想を語った。決勝イベント中には、お互いのアプリを体験できる時間も設けられており、家族や友人などの来場者は開発者との交流を楽しんだ。