“取材クルー”として、箏奏者の中しまりん氏にインタビューする児童たち
“取材クルー”として、箏奏者の中しまりん氏にインタビューする児童たち
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児童による体験レポートを撮影しているところ。撮影にもタブレットを利用した
児童による体験レポートを撮影しているところ。撮影にもタブレットを利用した
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取材後、撮影した映像をチェック
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取材の計画や成果は、OneNoteを使ってまとめた
取材の計画や成果は、OneNoteを使ってまとめた
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中しま氏による箏と、ピアノ、ギター、パーカッションの生演奏を鑑賞。児童たちは熱心に聞き入っていた
中しま氏による箏と、ピアノ、ギター、パーカッションの生演奏を鑑賞。児童たちは熱心に聞き入っていた
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 東京都中央区立泰明小学校は2013年9月26日、タブレットと和楽器の箏(そう)を用いた体験授業を公開した。箏奏者の中しまりん氏とバンドのメンバーが、箏とピアノ、ギター、パーカッションの演奏を披露。児童らは1人1台のタブレットを使って中しま氏らに取材し、その結果を発表した。

 授業には、インテルが協力した。児童・生徒への1人1台のタブレット配布なども一部で始まっているが「先生も含めて、現場でどう使えばよいか分からないという声を聞く。こういうやり方なら、効果的にICTを使った授業が成り立つ、というひな形を示したかった」(同社の宗像義恵副社長)。そこで、和楽器とタブレットを組み合わせた体験授業を企画したという。

 体験授業には、6年生全員が参加。4~5人ずつ12班に分かれ、それぞれ“取材クルー”として演奏者に取材を実施した。児童は、全体をまとめるディレクター、撮影するカメラマン、演奏者に話を聞くインタビュアー、実際に楽器を演奏して体験を伝える体験レポーターのいずれかの役割を担い、班全員が協力して取材に取り組んだ。

 授業では、全員が1台ずつ、Windows 8搭載のタブレットを使用。マイクロソフトのノート作成ソフト「OneNote」を使って事前に取材計画をまとめておき、本番ではタブレットのカメラ機能を使って取材映像を撮影した。撮影した映像の一部は、全員に向けて披露された。

 和田利次校長は「まずはこうした授業を通じて、ICT機器の扱いに慣れ親しんでほしい」と今回の授業の狙いを説明する。さらに「タブレットは、企画力や表現力、思考力を育てるのに有効なツール。今回の体験を生かして、こうした力を今後身に付けていってほしい」(和田氏)と考えているという。

 インテルの宗像氏は「取材クルーというテーマには、コラボレーション力や思考力、問題解決力など、21世紀型スキルの多くの部分が含まれている」と話す。21世紀型スキルとは、世界の教育科学者やユネスコ、OECDなどの国際教育機関が連携して考案した、21世紀の国際社会で必要な能力のこと。今回の授業のように、ICTを活用しながら21世紀型スキルを育成するための取り組みを、今後さらに広げていきたいという。