エス・アンド・アイ(S&I)は2013年9月26日、スマートフォン端末をオフィスの電話として使えるようにするサーバーシステム「uniConnect II+」の販売手法を拡大し、これまでの売り切り型のシステム販売に加えて、新たに月額制で利用できるパッケージ製品を用意したと発表した。売り切り型では150人規模で500万円程度の初期費用が必要だったが、月額制では初期費用無しで利用できる(設置作業費などは別途必要)。

 前提となるuniConnect II+とは、スマートフォンをオフィスの電話として使えるようにするシステムである。スマートフォンからは、VoIPではなく3G網を使って通話する。uniConnect II+のサーバーを中継することにより、オフィスの固定電話番号から電話をかけられるほか、オフィスの固定電話番号にかかってきた電話をスマートフォンで受けられる。個々のスマートフォンに付けた内線電話番号を使った内線通話もできる。スマートフォン(Android/iOS)に専用の電話アプリケーションを導入して利用する。

 スマートフォンの利用者の視点では、1台で、プライベートの携帯電話番号とオフィスの固定電話番号を使い分けられる。このため、BYOD(私物の業務利用)にも都合がよい。

 電話料金を削減するというメリットもある。uniConnect II+を仲介させることにより、スマートフォンから直接電話をかけるよりも3G通話料金が減る。法人向けの3G通話プランを利用すると、同一キャリア間の通話料金が下がるからである(スマートフォンとuniConnect II+のサーバーを結ぶ3G通話料金)。uniConnect II+のサーバーの手前に各キャリアの3G回線を収容したゲートウエイを設置すれば、複数のキャリアが混在した環境でも3G通話料金を削減できる。

売り切り型に加えて月額利用を追加、初期費用なしで導入可能に

 今回、uniConnect II+の販売方法を拡大し、初期費用がかからない月額制のパッケージを用意した。従来は、サーバーやネットワーク機器、ソフトウエアのライセンスなどを含んだシステム一式を売り切り型で提供してきたが、この場合、150人規模ではトータルで500万円程度のシステム導入費がかかっていた。これに対して今回は、必要なシステム一式(アプライアンスサーバー1台)をレンタルし、初期費用無しの月額制で利用できるようにした。

 月額制での参考価格は、固定電話とスマートフォン合わせて150台の場合に、基本料金が月額3万9000円程度、電話番号1個あたり月額470円程度。これとは別に、3G回線費用やインターネット接続費用などを別途、通信事業者に支払う必要がある。なお、レンタル提供するアプライアンスサーバーは、米Cisco Systemsのサービス統合ルーター機器「Cisco ISR 2911 UCS-E」である。これ1台で300人規模までの電話システムを運用できるという。