写真1●発売セレモニーで販売開始時間のカウントダウンをするソフトバンクモバイルの宮内謙代表取締役副社長(左)と女優の上戸彩さん
写真1●発売セレモニーで販売開始時間のカウントダウンをするソフトバンクモバイルの宮内謙代表取締役副社長(左)と女優の上戸彩さん
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 2013年9月20日、携帯大手3社が米アップルの「iPhone 5s」「同5c」の販売開始に伴いイベントを開催、各社が自社の優位点をアピールした(NTTドコモのイベントKDDIのイベントソフトバンクモバイルのイベント)。iPhone導入で先行していたソフトバンクモバイルだが(写真1)、KDDIに続き、NTTドコモも取り扱うことで、顧客獲得競争がさらに激しくなることが予想される。発表イベント後、記者団を前にソフトバンクモバイルの宮内謙 代表取締役副社長兼COOは、同社の取り組みをアピールした。

通信状況の把握にビッグデータを活用

 宮内氏は、同社が5年間iPhoneを販売してきたことに触れ、「iPhoneのことを全部知っています。トラフィックがどう動くかも知っています。iPhone 5c/5sでトラフィックのボリュームが相当上がるだろうと見ている」と述べ、まずはネットワークに対する取り組みを説明した。

写真2●フリップを手に同社の取り組みを説明する宮内副社長
写真2●フリップを手に同社の取り組みを説明する宮内副社長
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 宮内氏は、同社が“つながりやすさ”の指標としている「パケット接続率」の調査結果を記したフリップを持ちながら(写真2)、「ダブルLTE」、高速化、900MHz帯でのLTEの展開、“パケ詰まり”について矢継ぎ早にその取り組みを紹介。同社が2.1GHz帯とイー・アクセスの1.7GHz帯で展開している「ダブルLTE」について、「都市部は完璧にカバーしている」とし、下り75Mビット/秒への高速化を進めると説明。さらに900MHz帯を使うLTE網については2014年4月に向けて整備を進め、4月から都市部でサービスを開始。その後半年程度で全国展開するとした。

写真3●場所による接続率を説明
写真3●場所による接続率を説明
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 アンテナピクトが立っているにもかかわらずパケット通信が滞る“パケ詰まり“については、その対策に有効なトラフィックを分散する“小セル化”を今後も進めるとし、「現在ソフトバンクのLTEネットワークはナンバー1との評価が出ている。au(KDDI)さんは(auがLTEを展開する)800MHz帯に(iPhone 5c/5sが)対応したことで『これで勝ちだ』と言っているようだが、単に周波数があるだけではなく、これからは小セル化を図らなければならない」とした。

 場所によるパケット接続率についても以前より改善しているとし、「ゴルフ場は、以前はドコモさんの独壇場だったが、だいぶ接近してきている。それでもまだゴルフ場と百貨店内の奥の方では負けているが、ほとんどのところはつながりやすさで勝っている」とこちらもフリップを手に紹介した(写真3)。