薄日が差してきた感があるとはいえ、この先、消費増税を控えてまだまだ予断を許さない日本経済。高級品が売れているとは聞くが、物価の上昇が庶民の懐にジャブを打つ。給料が増えて、人々の消費意欲が本格的に高まるには、もう少し時間がかかりそうだ。
そこでポイントとなるのが、安倍内閣が掲げる成長戦略。「クールジャパン」を標榜する日本にとって、ゲームやアニメ、漫画といったコンテンツ産業は海外マーケットを開拓し、日本の景気拡大、経済成長を促すための戦略分野である。同産業はその市場規模に比して、製造業など非コンテンツ産業へ与えるインパクトも大きいという。さらに国内だけでなく、海外の人々も日本製コンテンツの質の高さに注目し、強い関心を抱いている。観光や国際交流といった面でも、日本のコンテンツ産業が担う役割は重くなる一方だ。
となれば、国内外の“要人”がこの東京ゲームショウ 2013(TGS 2013)を放っておくはずがない。昨年はインドネシアの観光クリエイティブ経済省のマリ・エルカ・パンゲストゥ大臣が会場を視察。そして今年は経済産業副大臣の菅原一秀氏が、熱気に包まれたTGS 2013に足を踏み入れた。
今回、菅原副大臣がTGS 2013を訪れた目的は、日本ゲーム大賞「経済産業大臣賞」の授賞式に出席するため。それだけ日本のゲーム産業の重要性が増しているということだろう。到着から会場を後にするまで、40分足らず。それでは、日経トレンディネット恒例(?)の、要人密着レポートをお届けしよう。
菅原副大臣到着、急げ、授賞式会場へ!
2013年9月19日、菅原副大臣が到着する予定時刻だが、その気配はない。渋滞にでも巻き込まれているのだろうか。もう間もなく、日本ゲーム大賞の授賞式が始まる。その前の時間を利用して、副大臣には会場を視察していただく予定だったのだが……。刻々と時は流れ、気をもむ関係者たち。
来た! 副大臣の乗った黒塗りのクルマが、幕張メッセの通用門を抜けてくる。これは会場視察どころではない。授賞式に間に合うだろうか……。そんな心配をよそに、颯爽(さっそう)と歩き始めた副大臣。関係者との名刺交換も、歩きながら。こうなれば、流れに任せるしかない。