写真1●発売イベントを開催したKDDI。田中社長のほか、タレントの剛力彩芽さん、哀川翔さんも駆けつけた
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写真2●“800MHz帯プラチナLTE”をアピールする“号外新聞”も発行
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 KDDIは2013年9月20日、同社が運営するKDDIデザイニングスタジオにてiPhone 5c/5sの発売イベントを開催した(ドコモのイベント記事ソフトバンクのイベント記事)。

 同社の田中孝司社長(写真1)は午前8時の発売開始の20分以上も前から壇上にあがり、終始ノリノリの様子。「キーワードは“800MHz帯プラチナLTE”。同じiPhoneでもネットワークでこんなに違うことを経験していただきたい。史上最高だ」と、iPhone 5c/5sで、新たに同社の800MHz帯のバンドに対応したメリットをアピールした(写真2、関連記事:iPhone 5s/5cの対応バンドに見るアップルの深意、そして携帯3社の競争の行方)。

 同社は前日深夜に「U22 auにかえる割」というキャンペーンを急遽発表した。22歳以下のユーザーがKDDIにMNPした場合、最大3年間基本料とパケット定額料1050円分を割り引くというキャンペーンで、これはドコモが打ち出した「ドコモへスイッチ学割」、ソフトバンクモバイルの「のりかえ学割」の対抗策と言える。「料金については他社が出せば追随する。実際料金はほぼ横並び。キャリアの一番の価値はネットワークであり、そこはKDDIがダントツだ」(田中社長)と、ネットワークこそ最大の差異化要素と強調した。

 田中社長は800MHz帯のLTEの整備を3年前から進めてきたという。残念ながらiPhone 5ではその800MHz帯のLTEに対応せず、同社はiPhone 5のエリアの面ではソフトバンクモバイルと比べて見劣りがしていた。だからこそ田中社長は、新iPhoneで新たに800MHz帯に対応した喜びを隠せない様子だった。

 同社が9月頭に開催した会見で明らかにした通り、800MHz帯周波数のLTEエリアは、2013年8月末に同社の定義による実人口カバー率で97%で2013年度末には99%に持っていくとする(関連記事:「LTEエリア競争はダントツ勝ち」、KDDI田中社長が障害対応完了に合わせ勝利宣言)。「特にビル内や地下街では他社と比べて圧倒的な差がある。今、社内では社員がLTEから3Gに落ちるエリアを発見するキャンペーンを続けている。また新幹線でのつながりやすさ、特に東北新幹線ではKDDIがダントツ強い」(田中社長)と強調した。