写真●JP1/Automatic OperationのGUI
写真●JP1/Automatic OperationのGUI
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 日立製作所は2013年9月26日、統合システム運用管理の新版「JP1 V10.1」を9月30日に出荷開始すると発表した。IT運用自動化基盤「JP1/Automatic Operation(JP1/AO)」を機能強化したほか、クラウドへの対応を推進。オープンソースのIaaS構築ソフト「OpenStack」との連携も可能にする。

 2012年10月に「JP1 V10」で投入したJP1/AOは、運用手順をまとめた「コンテンツセット」を使い、仮想マシンの追加や削除といった運用を自動化できる。今回、従来のVMware vSphere用に加え、Microsoft Hyper-V用のコンテンツセットを提供開始した。また、運用環境に合わせてコンテンツセットをカスタマイズするためのGUIを追加した(写真)。

 自動化を支援するために、運用プロセス間の製品連携も強化した。「V10でIT運用自動化を掲げたが、“いきなり自動化”ではハードルが高いと感じる顧客もいる。そうした場合は、まず、その前段となる運用の見える化や共有化を進めたい」(ITプラットフォーム事業本部 ITマネジメントソリューション開発部の加藤恵理氏)。

 見える化は、「JP1/Integrated Management(JP1/IM)」により、統合監視や構成の可視化を実現。共有化は、「JP1/Integrated Management-Service Support(JP1/IM-SS)」で、対処履歴の共有やノウハウ蓄積が可能だ。また、「JP1/Integrated Management-Navigation Platform(JP1/IM-NP)」を使えば、マニュアルなどによる標準化が図れる。V10.1では、JP1/AOと、JP1/IM-SSやJP1/IM-NP間のパラメータの自動設定や、シングルサインオンを実現した。

 クラウド関連では、JP1からMicrosoft Windows Azureやアマゾン・ウェブ・サービスが運用管理できる。また2013年12月末には、JP1/AOでOpenStack向けのコンテンツセットを提供開始する予定。これにより、JP1からOpenStackのAPIを呼び出し、仮想マシンの自動運用などが可能になる。

 クラウド活用などに伴う、監視対象システムの大規模化や複雑化への対応も進めた。V10.1では、イベント監視に加えて、性能監視のシステムを二重化できるようになった。また、監視コンソール画面に大量のイベントが上がってきた場合に、それらイベントを集約することにより、重要イベントの確認を容易にした。イベントトリガーによる不要な自動アクションも抑止可能である。