SDN向けの各種ソフトウエアをOSS(オープンソース・ソフトウエア)として開発・公開していく「OpenDaylightプロジェクト」の最初のリリースが、2013年12月9日に登場する。9月18日から東京で開催中のイベント「SDN Japan 2013」のパネルディスカッション「OpenDaylightはどこへ向かうのか」で、この公開時期が紹介された。

 OpenDaylightプロジェクトのWebサイト上にあるQ&Aページでも、「The first code release from OpenDaylight is scheduled for December 9, 2013.」と説明されている。

 OpenDaylightプロジェクトが9月13日に公開した情報よると、この最初のリリースは「Hydrogen」と呼ばれる()。ネットワーク全体を制御するソフトウエア(SDNコントローラー、図中の「Controller Platform」)や、ネットワーク関連の各種機能を提供するアプリケーション、実際にパケット転送を担うスイッチなどを制御するためのインタフェース(プロトコル)が含まれる。

図●OpenDaylightプロジェクトが開発中のSDN向けソフトウエア「Hydrogen」のアーキテクチャ
図●OpenDaylightプロジェクトが開発中のSDN向けソフトウエア「Hydrogen」のアーキテクチャ
[画像のクリックで拡大表示]

 幅広い用途に対応するため、HydrogenにはOVSDB、OpenFlow 1.3.0、BGP、PCEPなど、古いものから新しいものまで様々なプロトコルが含まれる予定だ。また、複数のネットワーク仮想化手法に対応するほか、ポリシー管理、DDoS攻撃対策などのアプリケーションを搭載する。そのほか、クラウド基盤を構築するためのオープンソースソフトウエア「OpenStack」との連携用に、OpenStackで規定しているネットワーク向けのAPI「Neutron」と接続するためのプラグインも用意されているという。

 OpenDaylightプロジェクトは米Linuxファウンデーションのプロジェクトの一つで、2013年4月に発足した。参加企業は自社のSDN関連ソフトウエアの一部をOpenDaylightプロジェクトに寄贈(contribute)し、それらのコードをベースに開発を進めている。現時点でOpenDaylightプロジェクトのプラチナ/ゴールドメンバーになっているのは、米ブロケード コミュニケーションズ システムズ、米シスコシステムズ、米シトリックス・システムズ、スウェーデンのエリクソン、米IBM、米ジュニパーネットワークス、米マイクロソフト、米レッドハット、NEC、米ヴイエムウェアである。