写真1●20MHz幅、4×4 MIMOで最大291Mビット/秒を達成
写真1●20MHz幅、4×4 MIMOで最大291Mビット/秒を達成
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 イー・アクセスは2013年9月18日、8月22日から香川県高松市で実施しているLTEの実証実験の結果を公表した。1.7GHz帯の20MHz幅を使い、基地局からの送信(端末での受信)に4本(4×4)のアンテナを用いた「MIMO」(Multiple Input Multiple Output)の構成において、最大291Mビット/秒の速度を達成した(写真1)。

 同社が実験したのは、(1)LTEで連続20MHz幅を利用した場合と、LTE-Advancedのキャリアアグリゲーション(CA)で周波数を束ねて20MHz(10MHz+10MHz)幅を利用した場合の速度の違い、(2)LTEで連続20MHz幅を利用した場合の「4×4 MIMO」と「2×2 MIMO」の速度の違いなど。基地局には、中国の華為技術、スウェーデンのエリクソン、フィンランドのノキアソリューションズ&ネットワークス(旧:ノキア シーメンス ネットワークス)の機器を利用した。

写真2●LTEで連続20MHz幅を利用した場合と、LTE-Advancedのキャリアアグリゲーションで周波数を束ねて20MHz(10MHz+10MHz)幅を利用した場合の速度の比較
写真2●LTEで連続20MHz幅を利用した場合と、LTE-Advancedのキャリアアグリゲーションで周波数を束ねて20MHz(10MHz+10MHz)幅を利用した場合の速度の比較
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 (1)は、2×2 MIMOの構成で静止状態と移動状態の両方を比較した(写真2)。静止状態における下り速度(平均)は、連続20MHz幅の利用時が147.4Mビット/秒に対し、CAによる20MHz幅の利用時は141Mビット/秒。移動状態における下り速度(同)は、連続20MHz幅の利用時が145.3Mビット/秒に対し、CAによる20MHz幅の利用時は136.4Mビット/秒。連続で20MHz幅を利用した方が制御用データが少ないため、周波数の利用効率が高いという。

 (2)は冒頭の通り、20MHz幅を使い、4×4 MIMOの構成で理論上の最大300Mビット/秒に対し、最大291Mビット/秒を記録した。「安定して平均250Mビット/秒の速度が出ていた」(エリック・ガン社長)という。同様に2×2 MIMOの構成では理論上の最大150Mビット/秒に対し、最大148Mビット/秒という結果が出ている。2×2 MIMOに関しては同社の既存端末「STREAM X」「GL08D」「GL06P」による検証も実施しており、例えば「STREAM Xでは平均130Mビット/秒以上が出た」(同)とする。