写真1●「『さわれる検索』マシン」とヤフー代表取締役社長の宮坂学氏
写真1●「『さわれる検索』マシン」とヤフー代表取締役社長の宮坂学氏
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写真2●筑波大学附属視覚特別支援学校(盲学校)副校長の星祐子氏
写真2●筑波大学附属視覚特別支援学校(盲学校)副校長の星祐子氏
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 ヤフーは2013年9月17日、音声入力によって認識したキーワードを、3Dプリンターで立体物として生成できる「『さわれる検索』マシン」(写真1)を開発、公開した。「キリン」「ゾウ」「くるま」などのキーワードを音声で入力すれば、対応した3Dデータに基づく立体物を15分ほどで出力できる。

 同社は、インターネット検索によって得られる情報を「見る」「聞く」というスタイルに加え、新たに「触る」というスタイルを追加しようと考えている。ヤフー代表取締役社長の宮坂学氏は、「検索と3Dプリンターの組み合わせによって、『検索したものに触れる』というイノベーションを起こしたい」と語った。

 今回、ヤフーがコンセプトモデルとして開発した「さわれる検索」マシンは、3Dプリンターが出力した立体物を盲目の学生に触れさせ、ものの形状の理解を助けることを目的としている。9月4日~9月13日まで筑波大学附属視覚特別支援学校(盲学校)に試験的に設置していた。9月20日から本格導入し、10月18日までの約1カ月、生徒が自由に体験できるようにする。この取り組みに関し、同学校の副校長である星祐子氏は、「子供たちの事物や事象の理解を助けるものとして非常に画期的なことだと思っている」と述べた(写真2)。

 「さわれる検索」マシンには現在、約110種類の3Dデータが登録済みで、生成が可能なキーワードをプロジェクトサイトに掲載している。3Dプリンターは米メーカーボットの「Replicator 2」を使用。生成物の最大サイズは285×153×155mmで、白、青、赤、黄、緑、オレンジ、黒の7色の立体物を作成できるという。

 この取り組みに関し、ヤフーマーケティングソリューションカンパニーマーケティングイノベーション室クリエイティブマネージャーの内田伸哉氏は、「今後の事業化、海外展開、およびマシンの量産などは当面予定していない」としている。