イージェネラは2013年9月17日、ブレードサーバー向けリソース管理ソフトの新バージョン「PAN Manager 7.5.12」を発表、同日販売を開始した。今回のバージョンによって初めて、米Hewlett-Packard(米HP)、米IBM、NEC、富士通---の4社が混在したマルチベンダー環境で利用できるようになった。開発会社は米Egenera。

 PAN Managerとは、物理サーバーを仮想サーバーのように扱えるようにするサーバーリソース管理ソフトである。物理サーバー(個々のブレードサーバー)と仮想サーバー(ブレードサーバー上で稼働する仮想サーバー)が混在したサーバー資源をリソースプール化し、このリソースプールから必要に応じてサーバー資源を切り出してアプリケーションに割り当てることができる。

 各社のサーバー向けに提供しており、バージョンアップによって、ブレードサーバーのI/O仮想化機構を使ったリソース管理や、複数のブレードサーバーきょう体にまたがったリソースプールの生成、他社製のブレードサーバーきょう体が混在したマルチベンダー環境での利用、などを実現してきている。今回の最新版(バージョン7.5.12)では、4社すべてが混在した環境でリソースプールを形成できるようになった。

 マルチベンダー化の歴史は、以下の通り。

 2013年1月に、自社のI/O仮想化機構に加えて他社のI/O仮想化機構を同時に扱えるようにすることによってマルチベンダー化を図ったバージョン7.4を、米HPおよび米IBM向けに販売開始した(関連記事:イージェネラ、マルチベンダー対応したリソース管理ソフト「PAN Manager」を販売)。これにより、一つのリソースプールの中に米HPと米IBMのブレードサーバー(IBMのブレードサーバーは最新のFlex Systemではなく、旧式のBladeCenter)を混在させ、これらの間でフェールオーバーできるようになった。

 続いて販売を開始した現行のバージョン7.5では、米HP、米IBM、NEC、富士通の4社が混在した環境で利用できるようにした。具体的には、自社のI/O仮想化機構のほかに利用できる他社製のI/O仮想化機構を拡大し、米HPと米IBM(BladeCenter)に加え、新たに富士通、NEC、米IBM(Flex System)のI/O仮想化機構を利用できるようにした。

 4社混在で利用できるバージョン7.5は、2013年5月に富士通向けを販売開始し(関連記事:リソース管理「PAN Manager」現行版が富士通に対応、今後は4社混在で利用可能に)、その後にNEC向けと米IBM向けを提供している。今回、新たに米HP向けのバージョン7.5を用意し、さらに4社すべてに対応した正式版という位置付けでマイナーバージョンアップ版(バージョン7.5.12)とした。

 今後に登場するバージョンでは、ブレードサーバーだけでなく、ラックマウント型サーバーもリソース管理の対象に追加する予定である。