写真1●コンカー・テクノロジーズのスティーブ・シンCEO(右)と楽天トラベルの山本考伸社長
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写真2●Concur Travel & Expenceからホテルを検索した結果。周辺地域の宿泊可能なホテルを一覧できる
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写真3●コンカーの三村真宗社長
写真3●コンカーの三村真宗社長
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 楽天トラベルと統合出張・経費管理を手がける米コンカー・テクノロジーズは2013年9月17日に業務提携し、クラウド型の出張・経費管理サービス「Concur Travel」の日本語版で、楽天トラベルが提供する国内ホテル予約サービスとの連携機能を共同で開発すると発表した(写真1)。発表会に登壇したコンカーのスティーブ・シンCEO(最高経営責任者)は「このサービスによりコンカーの約2万社のユーザーが、楽天の予約コンテンツにアクセスできるようになる」と話した。

 コンカーは日本で「Concur Expense」と呼ぶ、パソコンやスマートフォンなどから交通費などの精算申請・承認処理ができる経費管理サービスを2012年2月から提供している(関連記事:領収書をイメージ化、スマホのデジカメで経費承認を変革する「Concur Expense」)。出張予約と管理をサポートするConcur Travelと連動することで、航空券やホテルの予約情報を元に、経費精算情報を自動生成でき、出張にかかわるさまざまな業務を効率化できるようになる。今回のサービス追加により、Concur Expenseは「Concur Travel & Expence」に進化した。日本での楽天トラベルとの連携機能は2013年内に開始する予定である。

 Concur Travel & Expenceと楽天トラベルの連携により、ユーザーは操作画面からチェックインとチェックアウトの日付、宿泊場所を入力するだけで、楽天トラベルのデータベースにアクセスして、指定した場所の周辺にあるホテルの一覧を参照できるようになる(写真2)。検索結果画面には、企業が定めた旅費規程に合致しているものだけが表示され、料金などのほか過去に宿泊した従業員や一般ユーザーの評価を閲覧できる。

 社員は、出張時にスマートフォンからホテルの住所や予約確認番号、料金など予約内容を一覧できる。帰社後には、予約時に確認した料金情報などを元に、経費処理をする。予約した情報はクラウドに蓄積されているため、企業が従業員の宿泊先を確認するといった管理目的にも利用できる。

 Concur Travel & Expenceの料金は、システムを利用した件数に応じて課金するトランザクションモデルで、「ボリュームに応じて異なるが、1件あたり数百円程度」(コンカー日本法人の三村真宗社長、写真3)。コンカーは楽天トラベルの国内宿泊施設の予約サービスとの連携により、今後3年で300社の導入を見込む。

 楽天トラベルは日本語以外に英語、中国語、韓国語で予約サービスを提供しているが、「今回のサービスで、コンカーの全世界のユーザーから利用してもらえる」(楽天トラベルの山本考伸社長)点を高く評価した。現在、楽天トラベルは国内で2万8745件、海外で6万1205件のホテルを予約でき、2013年8月は1カ月で384万泊の実績がある。

 コンカーは全世界で1万8000社、2200万人のユーザー数を持ち、Fortune500の61%(355社)の企業が利用する出張管理クラウドサービス。日本ではまずConcur Travel & Expenceから海外のホテル、航空機、レンタカーの予約サービスを可能にし、年末に開始予定のホテルのほかに国内航空機と鉄道の予約機能も検討を進めている。