インターコムは2013年9月13日、スーパーなどの流通業(小売店)に商品を卸す中小規模の卸業/サプライヤーに向いたEDI(電子データ交換)通信ソフト「Biware JXクライアント」を強化し、利用できるEDI通信プロトコルを増やしたと発表した。新規に「Biware BACREX手順オプション」を用意し、JX手順に加えてBACREX手順を利用できるようにした。同オプションは9月17日に販売開始する。

 Biware JXクライアントは、インターネットを利用したEDI通信手順の一つであるJX手順のクライアント機能を実現するソフトである(関連記事:インターコムがC/S型で導入が容易なEDIミドル「Biware JXクライアント」を出荷)。他のEDI手順(EDIINT AS2やebXML MSバージョン2)と比べたJX手順の特徴は、クライアント(商品のサプライヤーなど)からサーバー(小売店舗など)に対して定期的に情報を取得しにいくPULL型のモデルを採用している点である。

 PULL型で動作するため、EDIサーバーを立てることなく、クライアントPC上でJXクライアントを動作させるだけでEDIに参加できる。このため、JX手順は、小規模な卸会社やサプライヤーでも導入しやすい。ソフトウエアは、Windows(.NET Framework)の上でスタンドアローンで動作するほか、他のEDIアプリケーションに組み込んで利用できる(APIライブラリーの利用環境はVisual Basic.NETまたはVisual C#.NET)。

 今回、オプションにより、JX手順と同様のPULL型のEDIプロトコルとして、BACREX手順を利用できるようにした。JX手順は、一般財団法人流通システム開発センター(DSRI)が開発した手順である。一方、BACREX手順は、ニュートラル(札幌市)が開発した手順であり、BACREX手順を使っている卸業/サプライヤーの数は1万3000社を超えるという。

 価格(税込)は、前提となる「Biware JXクライアント」が9万8175円。今回追加した「Biware BACREX手順オプション」は、5万2500円。なお、JX手順やBACREX手順でやり取りするデータを変換/生成するソフト「Biware EasyExchangeスタンダード版」(18万1125円)も、別製品として用意している。データ変換機能の稼働環境などに制約を付けてBiware JXクライアントに同こんした「Biware JXクライアント(流通EDI)」(17万8710円)も用意している。