米Facebookのプライバシーポリシー変更案が同社と米連邦取引委員会(FTC)の和解合意に違反しているかどうかについて、FTCが調査することが、米英メディアの報道(New York TimesReuters)から分かった。これらメディアは現地時間2013年9月11日、FTCの広報担当者が調査着手を認めたと報じている。

 問題となっているのは、Facebookが8月29日に発表したデータ使用ポリシーおよび利用規約の変更案。変更内容の一部では、ユーザーの氏名やプロフィール画像、コンテンツが広告および商用コンテンツ関連に使われる仕組みに関する説明が修正され、「ユーザーがFacebookを使用する場合、ユーザーはこれらの使用をFacebookに許可するものである」と記載されている。Facebookは「広告に関する訴訟の和解条件履行の一環として、より分かりやすい説明に変えた」としている(関連記事:Facebook、データ使用ポリシーと利用規約の改定案を発表)。

 Facebookが変更案を公開すると、ユーザーからは否定的なコメントが相次ぎ、市民権団体などはFTCに改定施行を阻止するよう申し立てた。また、Edward Markey上院議員(民主党・マサチューセッツ州)はポリシー変更に対する懸念を示し、FTCに調査を求める書簡を9月11日に送ったという。

 FacebookとFTCが2011年に合意した和解条件では、個人情報のセキュリティやプライバシーに関する説明で誤解を招く表現を使わないこと、ユーザー情報を第三者と共有する場合にはユーザーにその旨を通知して事前に同意を得ることなどが定められている(関連記事:FacebookがFTCと和解、プライバシー設定をオプトイン方式に)。

 Facebook広報担当者のJodi Seth氏は、今回の変更案が、「ユーザー情報の広告向け使用についてFacebookにさらなる権限を与えるものではなく、むしろ既存の慣習をより明瞭に説明するようにしたもの」だと述べ、2011年のFTCとの合意と、2013年の集団訴訟の和解条件に準拠していることを主張した。また同氏は「ポリシー更新の際は常にFTCと話し合っており、今回も例外ではない」としているが、今回FTCへの連絡は改定案公開の直前だったとも伝えられている。

 なおFTCは、Facebookの合意違反を裏付ける根拠があるわけではないとしている。当初、ポリシー改定は9月5日に実施される予定だったが、ユーザーや擁護団体の抗議を受け、延期されている。