米Dellは現地時間2013年9月12日、同日行われた株主投票の集計結果(速報)から、Dell創業者による非公開化計画が承認されたと発表した。手続きは2014会計年度第3四半期(2013年8~10月)に完了する見込み。

 承認を受けた非公開化計画では、同社創業者で最高経営責任者(CEO)のMichael Dell氏と米Silver Lake PartnersがDellを約249億ドルで買収し、Dellは上場を廃止する。Dellの株主は、1株当たり13.75ドルのほか、1株当たり0.13ドルの特別配当を受け取る。また、第3四半期の普通配当として0.08ドルが保証される。

 Dell買収を巡っては、Michael Dell氏とSilver Lakeを中心とする企業連合が、1株あたり13.65ドルで買収する計画を2013年2月に発表(関連記事:Dell、約244億ドルで株式非公開化へ、Microsoftが20億ドルを融資)。翌月、米Blackstone Management Partnersを中心とするグループと、著名投資家のCarl Icahn氏が率いるグループもそれぞれ買収の名乗りを上げたが、Blackstoneは4月に買収案を撤回した(関連記事:Dell買収合戦からBlackstoneが脱落、PC市場やDell収益の縮小を理由に)。

 Michael Dell氏とSilver Lakeは7月24日、1株当たりの買収価格を13.65ドルから13.75ドルに引き上げる修正案を発表(関連記事:Dell創業者が非公開化計画の修正案、1株13.75ドルに0.10ドル引き上げ)。増額の条件として、棄権票を反対票として数えないよう投票規定の変更を求めたが、Dell特別委員会はこれを拒否した。しかし投票資格基準日と投票開催日を変更して買収価格13.75ドルの提案に対する株主投票を実施することで合意。投票を行う臨時株主総会を9月12日に開催することを決めた(関連記事:Dell特別委、1株13.75ドルの修正案で創業者と合意、株主投票を延期)。

 一方Icahn氏は、米Southeastern Asset Managementとともに代替案を提出したほか(関連記事:Icahn氏とSoutheastern、Dellに非公開化の代替案を提示)、Dellおよび同社取締役を米デラウエア州の衡平法裁判所に提訴するなど(関連記事:投資家のIcahn氏、非公開化計画の条件変更を巡りDellを提訴)断固として非公開化計画の阻止を狙っていたが、判事がIcahn氏の主張を退けたことなどから「勝利を得るのはほぼ不可能」と判断。阻止に向けた追加策を講じない意向をIcahn氏が9月9日に表明したことで、非公開化計画実現の可能性がいっそう高まっていた(関連記事:Dellの非公開化計画、Icahn氏が阻止を断念)。

 今回、株主投票の結果を受けてMichael Dell氏は「この結果に満足している。拡張性の高いエンドツーエンドのソリューションを提供する業界有数の企業に同社を築き上げていくことに強い意欲を感じている」と述べた。

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