毎日放送(MBS)は、9月29日放送の「情熱大陸」(毎週日曜日にMBS・TBS系全国ネットで放送)で、ARの分野で活躍する川田十夢氏(開発者/AR三兄弟)の活動を、「テレビの未来」という切り口で取り上げる。そこで、川田氏の協力のもと、放送と連動する独自アプリを開発した。アプリをダウンロードした視聴者は、番組と連動して提供される情報やサービスを楽しむことができる。

 まず、番組予告タイマー機能を実装した。番組開始の5分前になると、スマホの画面に自動的に「番組予告を視聴しますか?」というメッセージが表示される。タップすると番組予告が流れ、最後に「続きはテレビで!」と表示する。

 番組が始まると、ハイパーリンク文字放送機能が自動的に起動する。テレビにうつる情報が時系列でスマホの画面上に表れ、可視化する。スマホ画面をタップすれば、情報を打ち直す必要もなく、ハイパーリンクからすぐに該当の情報にアクセスできる。

 dボタンの拡張にも取り組む。dボタンを押すとテレビの画面に、データ放送画面が登場する。この画面をスマホのアプリ越しに見ると、リンク領域に色をかけ可視化する。そのスマホ画面をタップ化すると該当情報に飛び、スマホで所望の情報を見ることができる。

 このほか番組タイトルARとして、番組ロゴをアプリでかざすと、最新の予告編を見ることができるようにした。

 今回の取り組みの目玉が、「AKB48」と組んだ多視点放送である。事前にAKB548の東京ドームライブを16台のカメラで撮影、各カメラがセンターを飾る一人ひとりを撮影した。9月29日の放送では、後半の5分を予定する生放送部分で、まずテレビ画面で16等分して各カメラの映像を流す。スマホでは、視聴者が見たい画面を選択できるように設定した。

 タップした結果を測定できるので、タップの数や上昇率に応じて、テレビ放送の画面における各カメラ画面の大きさを変える。スマホでの選択状況に応じて、リアルタイムで放送画面の構成を変えていく。

 こうした機能を実現するため、放送の「時間」とスマートフォンの「時間」を正確に合わせる「タイムサーバーの概念を導入した」(川田氏)と説明する。その上で、スマホに予め動画データなどを送信しておき、放送のタイミングに正確に時間を合わせて、スマホに動画などを表示していく。

 なおアプリの公開時期は、9月15日を予定する。

[発表資料へ]