米国家安全保障局(NSA)による通話記録収集に関して、米国家情報長官が機密解除を認めた新たな文書が現地時間2013年9月10日に公開された。これら14件の文書から、NSAがプライバシー保護に関する規則に違反していたことが判明したと、複数の米英メディア(Wall Street JournalNew York TimesGuardianなど)が報じている。

 秘密解除は、米電子フロンティア財団(EFF)と米自由人権協会(ACLU)が起こした訴訟で、裁判所が政府に出した命令によって実現した。

 公開された文書によると、NSAの通話記録収集プログラムは、裁判所が定めた基準に該当しない多数の米国人の通話を追跡し、米連邦捜査局(FBI)の捜査対象になっていない人の通話記録を収集するなど、プライバシー保護の規則に違反していた。プライバシー侵害は2006年以降、米外国情報監視裁判所(FISC)の判事が通話記録収集プログラムの見直しを命じた2009年3月まで行われていた。

 3年間に調べられた1万7835件の電話番号のうち、裁判所が定めた基準を満たしたものはわずか1935件だった。またNSAは2549件の電話番号をFBIに引き渡したが、その結果、米国在住者に対して行われた予備的捜査は3件だけだった。

 2009年3月の文書では、FISCのReggie Walton判事が政府の「頻繁かつ組織的な違反」を厳しく非難する様子が示されているという。