中国当局が米Appleに対して、「iPhone」がChina Mobile(中国移動)の通信サービスを使用するための免許を付与したと複数の米メディア(Wall Street JournalBloombergCNNMoneyなど)が現地時間2013年9月11日に伝えた。

 中国工業情報省の電気通信設備認証センターは、8月30日に免許の付与を承認した。これによりiPhoneは、China MobileのTD-LTEおよび3Gネットワークを利用できるようになる。同国では加入者ベースで第2位のChina Unicom(中国聯通)と第3位のChina Telecom(中国電信)がすでにiPhoneを販売しているが、最大手のChina Mobileはまだ取り扱っていない。7億人以上の顧客を抱えるChina MobileがiPhoneのサービスを開始すれば、同国におけるAppleのシェアが拡大すると見られている。

 一方で、Appleが9月10日に発表したiPhoneの廉価モデル「iPhone 5c」は中国での販売価格が高く、新興国市場でのシェア拡大を狙ったと見られていた同端末は中国では成功しないのではないかとの懸念が広がっている。16GバイトのiPhone 5cの価格は4488元(733米ドル)と割高で、中国では上位モデルとの価格差もあまりない。このためiPhoneの新モデルは富裕層にしか関心を持たれないだろうと米メディアは伝えている。

 Appleは9月11日に中国でイベントを開き、iPhoneの新モデルを発表したが、China Mobileとの提携に関する発表はなかった。Appleの株価は、11日の米株式市場で大幅に下落したが、これは中国における同社の販売戦略が疑問視されたことが影響したと見られている。

[中国工業情報省、電気通信設備認証センターのWebサイト]