インターネットイニシアティブ(IIJ)は2013年9月10日、同社のモバイル通信サービス「IIJmio高速モバイル/Dサービス」の利用者に対して、「iOS 7」へのアップデートを控えるよう呼びかけた。iOS 7は、米アップルが9月18日から配信を始めるスマートフォン/タブレット用OSの新版「iOS 7」(関連記事)。

 IIJでは「iOS 7はこれまでのiOSに比べて変更点が大きい。特に、SIMカード関連の処理に大きな変更があり、従来のiOS 6のiPhone/iPadシリーズで動作していたIIJmioのSIMカードで通信できなくなる懸念がある」と説明。IIJはiOS 7が公開される18日からおよそ2~3日後までに動作検証を行う。その結果が出るまでは、iOS 7にアップデートしないよう勧めている。

 IIJmioはMVNOサービスの1つ。NTTドコモの携帯電話LTE/3G通信網を利用して自社の顧客にデータ通信専用回線として提供する「IIJmio高速モバイル/Dサービス」を運営している(関連記事1関連記事2)。IIJmioの利用者はIIJから貸与された「SIMカード」を、「SIMフリー」と呼ばれる状態のスマートフォン/タブレットに差し込んで利用する。

 「SIMフリー」とは、大手通信事業者による通信回線の利用制限がかかっていない状態のこと。大手通信事業者が販売するiPhone/iPadシリーズは「SIMロック」状態になっており、IIJmioなど他社のSIMカードを差し込んでも動作しない。

 SIMフリー版のiPhone/iPadシリーズは、海外の販売店や国内のネット通販、携帯電話専門店などで入手できる。このため、IIJmio利用者の一部はこれらにSIMカードを差し込んで利用している。iOS 7のリリースによって、こうした一部のユーザーに影響が出る可能性がある。

 
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