写真●シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏
写真●シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏
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 シマンテックは2013年9月10日、企業に所属するセキュリティ対策チームのスキルを高める人材育成プログラムの提供を始めたと発表した。金融機関や通信事業者、ECサイト運営者といった、SOC(セキュリティ監視センター)やCSIRT(セキュリティ事故対応組織)などのセキュリティチームを持つ企業が対象である。第一弾として、会津大学が9月23日に開講する「サイバー攻撃対策演習・情報セキュリティ講座」に、同社のサイバー演習プログラムを提供する。

 会津大学が新たに始めるこのセキュリティ講座は、サイバー攻撃にチームで対応するスキルを座学と実践形式で学ぶことを目的としたもの。社会人約20人、学生約5人を対象に、上期の講習を2013年9月23日から5日間、下期の講習を2014年3月下旬から5日間実施する。

 シマンテックは同講座のうち、上期は1日間、下期は2日間の実践演習を担当。米ボーイングが会津大学に無償貸与するサイバー演習機器「CRIAB(Cyber Range in a Box)」に、サーバーやファイアウォールといった仮想的な情報システムを構築した。この仮想環境上で、シマンテックが作成したシナリオに基づいてシステムを防御するサイバー演習プログラムを提供する。防御だけでなくシステムへの攻撃側に回ることで、サイバー攻撃に対する理解を深めることもできるという。

 記者会見でシマンテック代表取締役社長の河村浩明氏(写真)は、「国際的なセキュリティ認定資格であるCISSP(Certified Information Systems Security Professional)の保有者は、世界で約8万6000人いる。その65%は米国だが、それでも米国ではセキュリティ人材が圧倒的に不足しているという危機感を持っている。日本はわずか1281人で、シンガポールと同等、韓国の2分の1以下だ」と述べ、日本のセキュリティ人材育成が遅れていることを訴えた。