エフエム東京は2013年9月10日、タブレット端末を用いて、V-Lowマルチメディア放送番組内で流れるCMをトリガーにして聴取者を在庫のある店舗へストレスなく誘導する放送と通信が連動したO2O2O(オフラインtoオンラインtoオフライン)の実証実験を行うと発表した。

 この実証実験では、番組を受信するアプリと商品在庫を検索するアプリ(「ショッピッ!」)を連動するための情報を新しく定義し、放送波で送る仕組みを導入する。同アプリは、ネットショップや、近くの店舗など約6万店舗の中からバーコードやキーワードで簡単検索できる買い物アプリである。

 放送波とアプリを連動させるため、具体的にはJANコード(日本の共通商品コード)を、電通が開発した方式により放送波に多重して放送する。聴取者は興味を持ったCMの商品名を入力せずにタップするだけで、該当商品情報を検索したり、在庫のある店舗を見つけることができるという。

 この実証実験は「マルチメディア放送ビジネスフォーラム」の「番組連動型アプリ・広告ワーキンググループ」に参加するNNS、エフエムラジオ新潟(FM-NIIGATA)、オプト(「ショッピッ!」事業を展開)、共同販促、電通(ワーキンググループ・リーダー社)、エフエム東京と、フライトシステムコンサルティング(受信アプリ)、ビデオリサーチ(Webサイト利用測定)の技術提供により実施する。

 実証実験の実施期間は9月12~13日。放送波は、福岡地域で九州・沖縄マルチメディア放送が運用しているV-Lowマルチメディア放送実験試験局の電波を利用する。実証実験の成果は、10月1~5日に幕張メッセで開催される「CEATEC JAPAN 2013」のエフエム東京のブースで発表する。

 エフエム東京は、来年度のV-Lowマルチメディア放送の本放送開始に向けて、「マルチメディア放送ビジネスフォーラム」会員社と各種の実証実験を実施している。この実証実験もその一環である。

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