米Amazon.comが、自社で開発中のスマートフォンを無料で提供する計画を立てていると、元Wall Street Journalの記者、Jessica Lessin氏が自身のニュースサイトで現地時間2013年9月6日に報じた。

 記事によると、計画の詳細は今のところ不明な部分が多い。例えば同社が力を入れている年額79ドルの会員プログラム「Amazon Prime」の加入を条件とするかどうかも分かっていない。だが記事は事情に詳しい関係者の話として、Amazon.comは2年間の拘束などがある通信サービスプランへの加入を条件としない方法で、端末代金を無料にしたいと考えている。またAmazon.comはスマートフォンを自社のWebサイトで直販する計画だという。同社は現在通信事業者と協議をしているとJessica Lessin氏は伝えている。

 この報道に対し、Amazon.comの広報担当者は「年内に携帯電話を提供するという計画はない」とのコメントを出している。「もし将来、携帯電話を手がけるとしたら、それは無料ではない」とも述べたという。しかし、Jessica Lessin氏の記事は、Amazon.comが端末の売り上げではなく、サービスやコンテンツの販売で収益を得る戦略であることは明らかだと伝えている。

 Amazon.comのスマートフォンを巡っては、今年5月にWall Street Journalなどのメディアが、裸眼で3D画像を見ることができるディスプレイを搭載する端末を開発中と報じていた。Amazon.comは競争が激化するスマートフォン市場で製品の差異化を図り、端末上で利用されるコンテンツの配信サービスで収益拡大を狙っていると伝えられている(関連記事:Amazon.comが3Dディスプレイのスマホや音楽ストリーミング端末を開発中、米メディア報道)。