ソニーは2013年9月4日、IFA 2013に先駆けてプレスカンファレンスを開催し、フラグシップスマートフォン「Xperia Z1」を発表した(関連記事1、関連記事2)。このフラグシップ機投入の背景について、ソニーモバイルコミュニケーションズ シニアバイスプレジデント UXデザイン・企画部門 部門長 田嶋知一氏に話を聞いた(以前の同氏へのインタビュー記事:[MWC2013]ソニーモバイル幹部に聞くXperiaのこれから、Firefox OS検討の真意)。
「Xperia Z」の後継としてZ1が登場した。“1”とはどういう意味か。次機種はどうなるのか。
Xperia Zは「序章」という意味で付けていた。その次に、十分な開発期間を取って投入したのがZ1という位置付けだ。そういう意味では、Xperia Zは“Z0”といってよい。次の機種がZ10になるのか、Z100になるのかは分からないが、Zがフラグシップを意味することは変わらない。
一方で、日本で「Xperia A」がヒットしたことで、“Z”と“A”のブランドのメッセージが分かりづらくなった面はある。今後は整理していきたい。
Xperia Zから構造が大きく変わり、フレームにアルミの削り出しを採用した。その理由は?
最初のコンセプトとして、「1枚のインタラクションできる板」というものがあった。しかし、スマートフォンはアンテナをどのように配置するか、という点から設計を始める必要がある。例えばAppleは継ぎ目を入れて2つのアンテナを搭載しているが、Xperia Z1では1枚の板にこだわった。
そこでアルミの板を削りだしてフレームを作り、継ぎ目のないアンテナを実現できた。原理的には、昔のテレビに置かれていたループアンテナのようなものと考えてほしい。
重さについて、Xperia Zの146gからXperia Z1の170gへと重くなっている。
スマートフォンの重さは見た目とのバランスが重要だと考えている。Xperia Z1のように金属的な質感の端末では、170gでも意外と軽く感じるはずだ。もちろん、今後も軽量化は進めていく。
OSとしてAndroidを採用しているが、長期的なUXを構築する上でOSをどう考えるか。
HTML5の登場以降、アプリをOSから切り離し、クラウド側に移すことが可能になりつつある。Androidでも、Windowsでも、Firefoxでも動くようなアーキテクチャを目指している。ただ、今は過渡期なのでOSから完全に切り離すことはできない。そのため、我々が考えるUXを実現するためにGoogleと検討を重ねている。今から独自にクライアントOSをビルドするということは無いと考えている。