米国の調査機関Pew Research Centerが現地時間2013年9月5日に公表した調査結果によると、米国人の大半がオンライン環境の匿名性を求めているが、その多くが完全に匿名を保つことは不可能と考えているという。

 それによると、米国人の86%は過去にオンライン上で自分の行動形跡を削除したり、情報保護の措置を講じたりしたことがある。これにはCookieの削除、電子メールの暗号化、実名の不使用、VPNの利用などがあるという。だがオンライン上で完全に匿名性を保てると考えている人は全体の37%にとどまり、大半(59%)は不可能と考えている。

 調査は、2013年7月11~14日に電話アンケートを実施し、18歳以上の成人792人の有効回答を集めた。このうち、21%の人が電子メールやソーシャル・ネットワーキング・サービスのアカウントを侵害されたり、許可なく誰かに使用されたりしたことがある。13%の人は掲載した写真によって家族や友人との間でトラブルに遭ったことがある。

 このほか12%はオンライン上でストーカー行為やいやがらせを受けた経験があり、11%は社会保障番号やクレジットカード、銀行口座など重要な個人情報を盗まれたことがある。また自分や他人が掲載したコンテンツによって仕事や教育の機会を失ったという人も1%いる。

 Pew Research Centerによると、現在の法律でオンライン上のプライバシーは保護できないと考えている人は68%。これに対し十分な保護措置が取られているという人は24%だった。

 大半の人が、写真や動画、メールアドレス、誕生日、電話番号、住所、所属団体といった自分の情報がネット上で入手可能なことを知っている。こうしたネット上の個人情報について懸念を抱いている人の割合は50%に上り、2009年の33%から大きく増えている。

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