NSA(米国家安全保障局)やGCHQ(英国政府通信本部)は、「HTTPS」や「SSL」などを含むインターネット上の暗号化通信を解読可能であると、2013年9月5日に英ガーディアン紙米ニューヨークタイムズ紙などが報じた。エドワード・スノーデン氏がガーディアンに提供した秘密文書から判明したとする。商用ソフトウエアにバックドアを設けるなどして、解読しているという。

 NSAやGCHQは、スーパーコンピュータを用いたブルートフォース型の暗号解読を行ったり、商用ソフトに設けたバックドアを使ったりすることで、暗号化通信を解読しているという。NSAのこれらプロジェクトは「Bullrun」と呼び、HTTPSやVoIP、SSLなど、インターネット上で広く使われている技術を対象としている。

 NSAは10年前からこれら暗号解読技術の開発を進めており、2010年に大量の通信を解読可能になったという。NSAは同技術の開発などに、年間2億5000万ドルの予算を投じている。NSAは、大手通信事業者から直接インターネット通信を傍受できる体制を、2013年までに整備する計画であるとも報じている。

 また英国のGCHQは、米マイクロソフト、米グーグル、米ヤフー、米フェイスブックという「ビッグ4」のサービス事業者と共同で、これらのサービスのトラフィックを解読する方法を開発しているとする。