写真1●米EMC アジアパシフィック&ジャパン ユニファィドストレージ部門 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー 兼市佐江氏
写真1●米EMC アジアパシフィック&ジャパン ユニファィドストレージ部門 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャー 兼市佐江氏
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写真2●EMCジャパン マーケティング本部 本部長 上原宏氏
写真2●EMCジャパン マーケティング本部 本部長 上原宏氏
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 EMCジャパンは2013年9月5日、ミッドレンジストレージ「EMC VNX」シリーズの最新版を発表した。同製品は、Intel Sandy Bridgeテクノロジーを採用し、EMC独自の「EMC MCx」(マルチコア最適化)テクノロジーを搭載している。これにより、従来のVNXよりレスポンスタイムが70%向上、OLTP処理性能は4倍になり、従来の6倍となる6600台以上の仮想マシンをサポートするという。

 MCxテクノロジーは、Intelマルチコア処理テクノロジーを活用。最大32個のコアにすべてのVNXデータサービスを配信し、フラッシュを最適化する。「通常のマルチコアはそれぞれのコアがシングルタスクになっており、余力があっても他の処理はできないが、MCxではコアを横断してさまざまなタスクが処理できるため、コアの利用率が均等に保たれる」と、米EMC アジアパシフィック&ジャパン ユニファィドストレージ部門 シニア・プロダクト・マーケティング・マネージャーの兼市佐江氏(写真1)は説明する。

 また、最新版VNXでは、粒度が4倍向上した自動階層化技術を採用。さらに重複排除を利用して容量を縮小することで、「必要なドライブ数が大幅に減り、コスト削減率は旧製品の86%にものぼる」(兼市氏)という。

 EMCジャパン マーケティング本部 本部長の上原宏氏(写真2)は、今回の新製品が登場した背景について、「ストレージに対する関心が、ハイエンドから汎用性の高いミッドレンジへと移ってきており、価格帯が1000万円以下のミッドレンジストレージ市場はグローバルで今後4年に10%近く成長すると言われている。また、ストレージの仮想化やクラウドの活用も進んできており、ユーザーのニーズの変化と仮想化・クラウドの波に最適なストレージを市場投入した」と説明。「EMCはストレージで高いシェアを持っているものの、日本ではまだ伸びしろがある。今回の新商品で、ミッドレンジストレージ領域のシェア1位を狙いたい」と述べた。

 VNXシリーズは、クラウド事業者やサービスプロバイダー、データセンター管理者など、性能や効率性を重視するユーザーを中心に販売していくという。最小構成価格は、295万7340円(税別)から。単体での販売に加え、EMC Velocityパートナー・プログラムを通じて検証済みのインフラストラクチャ「EMC VSPEX」も提供する。また、近日中に仮想化統合パッケージ「Vblock」としてもリリース予定だという。